瑠璃の祭壇

□夏祭り 忍×菊 編
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「はい、どぉぞ。」
パックに入って熱々の湯気をあげるたこ焼きを、忍足は菊丸に手渡した。
「わーいさんきゅー、忍足
受け取る菊丸は満面の笑顔。(俺も大概、ヤキがまわったわ。)にこにこと機嫌の良い相手の顔を見ながら忍足は心の中でため息を付く。
祭りの中でばったり出くわした迄は良かったのだが、相方とはぐれた菊丸がようやく取り巻きを撒いた忍足にくっついてきたのだ。
菊丸曰く、[せっかくのお祭りなのに、一人は淋しいっしょ?]ということらしい。
「自分もぅ、お腹いっぱいやろ?。」
取り巻きの女を振り切るのに体力を半分以上消耗していた忍足はぶっちゃけ早く帰りたかった。
「えぇ〜、忍足もぅ帰るつもりぃ。」
帰宅希望発言に大きな目を更に大きくして、菊丸は忍足の服をつかむ。
「もうちょっと遊んでこうよー。」
「あんなぁ…………、」
「じゃ、あれあれ!。あれ最後にやろっ!」
言うが早いか菊丸は忍足の腕をつかんで走りだした。「ちょぉ、待ってや。」
引きずられるように後につづく忍足は(気分屋なんは岳人とえぇ勝負やなぁ。大石も苦労する。)と苦笑した。
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