頂き物
□想いの花束、ブーケにまとめて
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
＜想いの花束、ブーケにまとめて＞
俺さ、フエに言わなきゃいけないこといっぱいあるんだ。
なんだい、急に。
うんまぁ、聞いてよ。
･･･はいよ。
まずさ、いっつも守ってくれてありがと。
････まァ、ルールだからな。
そんで、いっつも助けてくれてありがと。
さっきと似たようなもンだろ。
それから、俺のわがままとか聞いてくれてありがと。
兄ィちゃんには随分世話かけられてるからなァ。
あと、側にいてくれてありがと。
･････なンだい、礼ばっかりだな。
文句言ってるわけじゃねぇんだし、別にいいだろ？
それはそうだがよ。････そう一気に言われると、なんだか妙だねェ。
なに、フエもしかして照れてんの？
････････ンなこた誰も言ってねェだろうが。
ふーん･････まいいや。
････なんだって急にそんなこと言い出したンだい。
いや、なんとなく。言っておきたいかなぁって思ってさ。
･･･････････へぇ。少しは俺に感謝してるらしいねェ。
少しじゃねぇよ！すっげー感謝してるんだぜ！
･････････そうかい。
･･･ほんとだぞ？ほら、俺の目見ろって！･･････ウソじゃねぇだろ？
･･････ンなもん覗いたってわかんねェよ。兄ィちゃんはどうせ上手く嘘なんかつけねェんだから、心配すんな。
･･････それ、ほめられてんのか？
･･･････････さて、ねェ。
あーもうなんだよー！やっぱ感謝なんてすんじゃなかった！
少しは労ってもらわねェと、こっちは割に合わねェなぁ。
･････わかってるよ。ほんと、マジで感謝してるって。つうか、フエが変なこと言うから悪いんだろー！
あー、はいはい。すみませんでしたよ。･･･････ほら、とっとと行くぞ。
いっつもそうやって逃げるんだよなー。あちょっと、待てってば！
トロいぜ、兄ィちゃん。
なー、まだもいっこ言ってないことあるんだって！
･･･････なンだよ。
あのさ、俺を選んでくれて、ありがと。
･･････････････本当に置いてくぞ。
あ、フエ！待てって、なぁおい！
どれだけ口にしたって、足りないほどの気持ちをあなたに。
End.
20070309