逆門2

□チョコレートで7題。
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とかす。

緩やかに、溶ける。


「それじゃぁ、また明日ね、不壊」
「あぁ、また明日」

軽く手を振って、別れる。
約束した内容を思い起こして、軽く頬が緩んだ。

あぁ、本当に。

明日が楽しみだねぇ。


口元に笑みを浮かべて、アタシは帰路に着いた。





楽しみなのは、今まで飲んでいた昔馴染み―不壊―とまた会えるからってわけじゃぁない。
誰がアイツと会えるからって喜ばなきゃいけないんだい?気持ち悪い。

楽しみなのは、そいつと同居してる三志郎に会えるからだ。
笑顔の温かい、その子と。

こう云うのもなんだけど、昔の不壊はどこか人を近づけまいとする、刺々しさが有った。
元々悪い目付きだったけど、まるで凍て付きそうなくらい、冷たい目をしていた。

それが、今はどうだい?

気づけば、刺々しさが抜けて、丸くなった。
馴れ馴れしく声をかけてくる奴に嫌そうな顔こそすれど、昔のように無視はしなくなった。

全部。あぁ、そうさ。全部全部三志郎に出会ってからだ。
きっと溶けはしないと思っていた不壊の氷を溶かしたのは、三志郎の存在だ。

春の柔らかい日差しが、冬の雪をゆっくりと溶かすように。溶かしていった。

初めて見たときは、不壊とは正反対の元気印だ、そう思っただけだったのに。
今じゃ随分と気に入ったものだよ、我ながら。

明日、不壊の家に行った時には、そうだね。
不壊を押しのけて三志郎だけに挨拶をしようか。

それとも。


『ホントに貰って良いのか?ウタ姉!』

満面の笑みでそう返してくれることを期待して、お菓子でも持っていこうかねぇ?
明日は、バレンタインだしねぇ。

End.

□後書□
バレンタイン企画第2弾!(笑)

…あれ?ウタ三の予定だったんですが…姉様の一人語りに?!
出来るだけ会話分を使わない描写をしよう、と思って居たら…矢張り慣れないことはしないことですかねぇ?(笑)
三志郎ウタさんの想像内でしか話してませんし(苦笑)

不壊と三志郎の関係はまぁ、テキトウに(笑)
きっとこの二人は会社員か大学生辺りなんでしょうねぇ…(あまり考えていなかった)

しかしsssは難しい…これはssですよね。(苦笑)
それでは、少しでもお楽しみいただければ幸いです♪

2008/02/18

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