3作小説短編集

□everyone―第5.5章&第9.5章
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水原「さあ…次は新人戦だな…。新チームでも頑張らないとな。打倒帝王って所か。」



パワフル高校野球部監督の水原勇気が部室でひっそりと呟く。

8月も終わった。つまり夏休みが終わったのである。 9月に入ったので、そろそろ涼しくなるかと思いきや…



辻村「暑い!…目茶苦茶暑いな今日も。嫌だな〜9月だっていうのにさ。」


秋原「僕に言われてもね…仕方ないかな。9月なんてまだこんなもんだって。」


暑さを唸っているのはパワフル高校野球部キャプテンの1人、辻村良介(ツジムラリョウスケ)。
応答しているのは、同じ野球部の秋原白木(アキハラシラギ)。


辻村「秋期大会っていつ頃だっけ?」


秋原「確か…10月の日曜日全部だよ。僕の覚えている限りは。」


辻村「10月…それまでには涼しくなってたら良いけど…ていうか願っておこう」


秋原「ははっ。そうなるといいね」



今日も太陽は輝いている。




…そして、授業は終わり、諸活動の時間へ。


鳴海「大宮、ちょっといいか。」


大宮「何だ?鳴海。」



野球部キャプテンの1人の大宮剛士(オオミヤタカシ)。辻村と大宮は何と両方キャプテン。


鳴海「今日練習何やるんだ?」


声をかけたこの男は鳴海班授(ナルミハンジュ)。パワフル高校のスラッガーである。



大宮「そうだな…監督いないんだっけ。出張って話だったよな?」


鳴海「聞き返すなよ…。いつもどおりにする気か?」


大宮「そりゃまあ…良介とかが何も言わなかったらな。」


鳴海「アイツ何か言うのか?」


大宮「とりあえず早く行こうぜ。」


鳴海「あ、ああ。」



教室から出る2人。知られてないが、辻村と秋原、大宮と鳴海が同じクラスである。


そしてグラウンド。


大宮「早いなー。もういるぞ、誰か。えっと来てるのは墾矢と功か。」


大宮が数え出す。いるのは冠位墾矢(カンイコンヤ)と神崎功(カンザキツトム)である。


神崎「やっほ〜。」


眠そうな声を神崎が出す。


鳴海「何だ、起き抜けか?」


鳴海が喋りかける。


神崎「ん〜と、今寝ようとしたら剛士達が来たんだよ〜。」


大宮「ふーん…もうすぐ部活始まるんだから起きてろよ。」


大宮が神崎に言う。


神崎「そんなぁ〜眠たいんだよォ〜。プリン無いかな…」


大宮「ダメだ!お前にプリンは試合前だけだ!


大宮がそれなりに大きめな声を出す。どうやら神崎にプリンは…何かあるらしい。


冠位「そんなことよりも今日は監督は?いないみたいだけど?」



冠位が聞く。


大宮「ん?墾矢聞いて無いのか?監督出張だぜ」


冠位「は?出張?…ってことは練習は…」


辻村「ちわーす。」
秋原「ちわーす。」


二人グラウンドにやってくる。


大宮「お、良介に白木やっと来たな。」


大宮が駆け寄る。


辻村「今日監督いないんだっけ?」


辻村が大宮に聞く。


大宮「あぁ、いないよ。」


辻村「ふーん…」
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