□歩調
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「‥ってことで明日から浜田君もここに住むから」
「‥‥はぁ!?」


母はニコニコと楽しそうに笑った。


「いや、冗談だろ?」
「そんなわけないでしょ?ほら、あんた明日から高校生でしょ?早く準備してきなさい。」


何故こんな話になったかというと、発端は親父の転勤の話だ。

なんでも親父はイタリアに転勤になったらしい。
イタリアは紳士淑女の国なのでどうしても夫婦同席での会食が多くなるとか。

んでもってタイミングよく浜田の親も九州へ転勤になったらしく、お袋同士で話し合い一つの家に押し込んでしまえとなったらしい。

「どうしよ‥‥」


入学式とか言ってる場合じゃない。
仮にも恋人同士が同じ屋根の下に住むって問題あるんじゃねーか?

いくら兄貴がいるからっていっても‥。
いや、兄貴にバレるのはまずい。

なぜなら‥‥


「コウ、高校で変な男に言い寄られたらすぐにーちゃんに言えよ」
「あー、うん」
「ってか彼氏なんていないよな!?」
「いたらどうする?」
「簀巻きにして海に棄てる。」
「‥‥


実は結構シスコンだったりする。




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