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□邂逅
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爽やかな朝。
窓からは太陽の光が差し込み、鳥の声が聞こえる。
そんな朝。
しかし泉は朝から盛大にため息をついていた。
「今度は何?」
「この阿呆がコウの部屋覗こうとしてたから」
「だから起こそうとしただけですってば!」
また今日も兄と恋人の喧嘩(というか兄貴の怒鳴り声)で目が覚めた。
「二人とも煩い。
浜田、朝飯。あ、兄貴にお願いあるんだけど‥‥」
「なんだ?コウのお願いなら無条件で「これと同じマスカラ買ってきて。」」
「‥‥(泣」
へこむ兄の横を擦り抜け、泉は洗面所で身仕度を整える。
「なんだー?朝からメイクすんの?」
朝食の準備をしながら浜田は泉をまじまじと見た。
「悪い?早く頂戴」
「そのままでも可愛いと思うけど?」
「メイクって言ったってラインとマスカラとグロスくらいでしょ?メイクのうちに入らないよ」
「まだ高校生なんだしメイクしなくてもって兄ちゃんは思うぞ?」
「もう高校生なの。だから兄貴も妹離れしなよ」
泉は横から会話に割って入ってきた兄を黙らせるには十分の言葉を吐き捨てながら、浜田の準備したカフェオレを飲んだ。
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