□苦悩
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高校生活もだいぶ慣れた。

そんな頃。

その事件は起こった。




「「!!??」」


浜田が三橋の机にぶつかり、その上に乗っていた教科書やら筆入れやらが散らばった。それを拾おうと屈んだ二人が同時に顔を上げて、唇どうしが重なった。


「ぅ、え‥‥///」
「ッ‥‥、わりー!大丈夫か?」
「ぇ、あ‥‥ぅ、うん//」

真っ赤になりながら三橋は頷いた。浜田がほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間、それを見ていた泉が思いきり浜田を蹴り上げた。


「こんの阿呆!!なんで三橋襲ってんだよ!」
「違ッ!事故だよ!」
「たまたま唇がぶつかるなんて漫画みたいなコトあるわけねーだろ!!」


怒鳴る泉の目に微かに涙が見えて、思わず浜田は手を伸ばして頬を撫でた。


「ッ!触んな!」
「ごめんな‥‥」


泉は怒りに肩を震わせながらも、浜田の目を真っ直ぐ見て頬に触れる手に自らの手を重ねた。


「‥‥って三橋!?」


機嫌を直し始めた泉を見て安堵した浜田だが、横にいた三橋が逃げるように走って行くのが見えて思わず叫んだ。
泉も、そんな浜田の手を振り払い三橋の後を追った。



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