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□PROMISE †
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「せーんぱい!」
あの頃の俺、
無邪気に彼を呼び、
「大好き♪」
愛の言葉を
なんの躊躇いもなく表していた。
■PROMISE■
涙が伝うのは彼が卒業するからではない。
彼が、野球を辞めるから。
リトルリーグ肘って言うの?
とにかくボールを投げられなくなった。
高校は絶対に彼と同じトコに入って、一緒に野球するのが夢だっただけにかなり落ち込んだ。
「いーずみ、何泣いてんだよ。お前の卒業式じゃないだろ?」
「‥‥だって先輩の卒業式だもん」
彼の大きな手が頭を撫でる。一年しか違わないのに違いすぎる体格が嬉しくて、哀しい。
彼が困ったように笑うから、必死に涙を拭く
「あ!そんな擦んなよ。
あーあ赤くなったじゃん」
頬に手をあて上を向かせ、瞼に唇を落とした。
彼とそういう関係になったのは俺が小学生で彼が中学入り立てのころ。
それだけ無邪気に彼が好きだったし、尊敬してた。
「‥‥今日、うち来る?」
「‥‥うん」
彼が求めるものは全て与えたいと思った。
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