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□夢のうた
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想いもよらない夢を
なぜだろう 見てる毎日
君のことは
忘れたはずなのに、
この胸にとめどなく
溢れてく
■夢のうた
《side I》
誰よりも好きな人がいた。
誰にも負けないくらい好きで好きで仕方なかった。
なんで、
こんな風になってしまったんだろう‥‥
「ぁッ!‥ゃあ!あ、ぁあ、ふぁっ!!」
「泉‥‥」
ぼやけた視界から見えるのは彼じゃない。
「ッ!ゃあ!!」
抵抗するのにも疲れた。
ただ流されて、戻れないところまで来てしまった。
それは、貴方が側にいないから?
目が覚める。
最近、毎日のように夢に出てくる。
最後の悲しい表情。
もう終わった恋なのに、愛しさが込み上げてくる。
涙が頬を伝う。
「‥‥馬鹿みたい」
こんなに俺は弱かったんだろうか‥‥
時間がたったらまた、会いに来てくれると勘違いしていた。
ベッドサイドにあるぬいぐるみを抱きしめる。
そして、そっと夢で会いに来てと願って目を閉じるのです。
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