Tales of miracle

□第五章 風の都と混血
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 火炎の谷を出発した一行は、ミトラまであと1歩という所まで来ていた。しかしそこで悪魔の群れと遭遇してしまい、現在交戦中だ。ミトラを目指す道中、これが5度目の戦闘になる。
「たく、うざい事この上ねえな。爆襲拳!」
 ミューラは文句を言いながらもインプの亜種、ガルキマセラに強烈な一撃を叩き込んだ。ガルキマセラの紫色の体が大きく吹き飛び、地に落ちて消滅した。
「はん、チョロいぜ」
「ミューラ後ろ!」
「あ?おっと!」
 ミューラの後ろから、別のガルキマセラが光線を放った。ミューラがかわすとガルキマセラは絶え間なく両手から光線を放ち、反撃の隙を与えない。
「ちくしょ、おいラキ!こいつを何とかしてくれ!」
「無茶言うな!こっちも余裕無い!」
 ラキはジールと一緒に3体の動く人形、キラードールを相手に戦っていた。キラードールはナイフを持って素速く動き回り、なかなか攻撃が当たらない。
「くそ、空裂斬!」
 ジールはキラードールの1体に真空の刃を飛ばすが、キラードールは不気味に笑いながら跳んで避け、そのままジールにナイフを振り下ろした。そこへラキが間に入り、短剣でナイフをはじくと、キラードールは後ろに跳んで再び素速く動き回り始めた。
「あ〜、もう!うざったい!」
「うざっ…!?ジール、そんな汚い言葉を使うんじゃない!」
「そんな事より来たよ、ラキ!」
 ジールの言葉より少し早く、別のキラードールがラキに飛びかかった。
「調子にのるな!」
 ラキはナイフを短剣で受け止め、さらに斬りつける。
「おらっ、くらえ、牙浮三連!」
 ラキは短剣でキラードールのナイフを打ち付けて浮かし、すぐに3本の矢を放った。至近距離で放たれた矢は無防備のキラードールを貫き、キラードールは空中で消滅した。
「ジール、こいつらは空中だと隙だらけだ!そこを狙え!」
「うん、わかっ、うわっ!」
 ジールが返事をすると、ガルキマセラの放った光線が、ジールの足元を焦がした。
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