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□追って追って追いかけて。[銀新]
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「例えオメーが俺から全速力で逃げたとしても、銀さんマジで追いかけちゃうから。」


それこそ形振り構っちゃいられねーぐらい本気で追って追って追いかけて。


「んで、捕まえたらぎゅうぎゅうに抱き締めて、ぜってー放さねェかんな。」


銀さん結構しつっこいからさ〜、と冗談めかした調子でくふりと笑う銀時の口調は緩く、余裕綽々のように聞こえるけれど―。


「馬鹿ですかアンタは。逃げるつもりなら、最初からここに居ませんよ。」


らしくないぐらいおずおずと、まるで壊れ物にでも触る様に新八の手を握る銀時の大きく無骨な手に、呆れたようにわざとらしく溜め息を吐き、その懐にそうっと寄り添った。
途端に銀時の身体が一瞬ぎくりと強張ったけれど、新八は気にせずに凭れ掛かる。


「………逃げねーの?」

「だから、なんで逃げなきゃいけないんですか。」

「マジでか?ぱっつぁん。嘘吐いたらお尻ぺんぺんしちゃうよ?」

「マジです。アンタ相手に嘘吐いてどうするんですか?疑り深いのも大概にして下さいよ、まったく。」


プクッと頬を膨らませる新八に、銀時は目を柔らかく細めた。
躊躇いがちにゆっくりと、新八の身体に銀時の腕が回る。


「人の事疑っちゃうのは銀さんの趣味みたいなもんだからさァ。」


「何で!?なんスかその陰湿な趣味!?」とつっこむ新八の薄い肩に額を押しつけて、銀時は目を閉じた。


「捉まえたら逃がさねーよ?………それでもいいの?」

「構いません。アンタの傍から離さないで下さいよ。」


銀時のフワフワの髪が首筋に当たり、ムズムズとこそばゆい。

銀時の頭を優しく撫でて、新八は穏やかに微笑んだ。










*end*

2007.11.25.*なおみユウ*
 
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2007/11/25〜2008/01/16まで拍手に設置
甘くな〜れ甘くな〜れ!と綴りました。
新八の前でだけヘタレ全開な銀さん(笑)

 

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