ボス愛!

□エックスデイ
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ヒットマン・R


やっと執務を終えてふらふらと仮眠室に入る。忙しいのは毎度ながら、此処数日は特に酷かった。
手探りでベッドに転げ、ネクタイを解く。
布団をたぐり寄せたところで、妙な違和感を感じた。サイドデスクの灯りを点す。

「っ!」

「ちゃおッス」

不適な笑み。
あげ損ねた悲鳴をぐっと飲み込んで即座に睨む。だが隣に横になるリボーンは口角を上げたまま余裕たっぷりの表情だ。

「テメェ、何処から入った」

「さぁな。自分で考えろ」

「…わざわざ考えるまでもねえ」

窓が開いている。
溜め息を吐く間に腕が伸ばされる。いつぞやのバレンタインデーとデジャヴした光景に思わず身構えた。が、その手には素気ない小箱がひとつ。

「とりあえず祝いだ」

祝い、と反芻して首を傾げる。目出度いことなどあっただろうか。
いまいち理解していないXANXUSに、リボーンは大袈裟に肩をすくめた。

「お前の誕生日だろう」

「…ああ」

本当に忘れていたらしい。
呆れ混じりに笑い、小箱を握らせてベッドから降りる。開け放したままの窓のアルミサッシに片足を掛ける。

「オイ」

振り向く。

「何だ、今日はヤらねぇぞ」

リボーンの他にも、XANXUSの誕生日を祝う者がいるのだ。それを妨げるほど、無粋ではない。
冗談半分の言葉だがXANXUSはムキになり、違ぇよカスが、と語調を荒げた。

「中身は、」

「自分で確かめろ」

少しの沈黙の後、箱が開かれる。
細工が施されたリングが輝きを放ち、入っていた。

「ボンゴレリングを奪えなかったお前に、だ」

皮肉たっぷりに言い、じゃあな、と外へ飛び降りた。
リボーンが門の方へ歩いて行くのを最後までも見送らず、窓を閉める。リングを取り出し、壊れないように握り締めた。


















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