次男総受け

□【急募】誤解の解き方
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569:名無し@通りすがりの審神者 2205/10/29(火) 21:45:28.17 ID:ma2resO2
結局良い案は浮かばなかったな…
とりあえず殺されないように気をつけろよ!



 やっぱ無理! 誰か最高の言い訳を教えてください……!
 掲示板の奴らは話聞いてくれたのはありがたいが、正直全く役に立たなかった……。

 少し楽観視しすぎていたぜ……。確かに相手は神様だ。神様に嘘をついておいてタダで許されようなんて甘い考えだ。どんな断罪も受けよう。

 ……いや、かっこつけてる場合じゃない。俺はまだ死にたくない。きっと神様の手に掛かれば人間如き簡単に抹殺できてしまうに違いない。むしろあっさり殺された方が良かったと思えるような罰を与えられるかもしれない……。祟りはごめんだ。考えろ、考えるんだ。最善の一手を……!


「そう言えば、切国は俺のこと主って呼んでたな。つまり俺が審神者であり人間だって事を知ってる訳だ。まずは切国に相談しよう! そうしよう!」

 まずは切国を探して、他のみんなにバレないように二人だけで話をしたい。

「切国ー!」
「どうした、主」

 ダメ元で試しに呼んでみたら、ものの1、2秒で現れた。いやお前どこに居たの? 怖すぎるだろ。でもよく考えたら切国が俺の傍に居なかったことの方が少ない。いつものことだな、うん。

「お、おう、ちょうど良かった。実はちょっと相談があって……今いいか?」
「主が俺に相談事を……? 写しの俺なんかで良いのか……?」

 切国はイケメンの癖に自分に自信がない。写しというのはよく分からないが、頻繁に“俺なんか”という言葉を使って卑下する。布で自分を隠すのも人に見られたくないからのようだ。金髪碧眼で王子様かと思うような容姿の癖に、どういうことなんだろうか。過度な謙遜は嫌味になると教えてやった方が良いんだろうか。……嫉妬じゃない。決して嫉妬じゃないからな。イケメン死ねとか全く思ってない。

「どうした主。やはり俺では力不足か?」
「あっいや! お前だけが頼りなんだ……!」

 危ない、他の刀剣男士を呼ばれたら意味がないんだった。俺の言葉を聴いて切国が少しだけ嬉しそうな顔をした。

「何だ? 桜の花びらが……」

 切国の周りに桜の花びらが舞っているのが見える。最近よく本丸の中で桜が舞っているのを見るな。
 いや、そんなことよりも早く本題に移ろう。

「実は……実はな、驚かないで聞いてほしいんだが……」

 仲間を騙していたと知って切国は怒らないだろうか。

「お前以外の刀剣男士が、俺のことを刀剣男士だと勘違いしているみたいなんだ。あ、でも騙してた訳じゃないぞ!?」

 恐る恐る切国を見ると、無表情のままだった。驚かないで聞いてほしいとは言ったものの、本当に全く驚いていないと何だか拍子抜けだ。

「何を言ってるんだ。他の奴らがあんたのことを刀剣男士だと思っていることなど、今更だろう。主はそれを承知で黙っていたんじゃないのか?」

 切国の言葉に固まってしまった。

「は……? えぇ……!? 切国お前知ってたのか!? なら何故教えてくれなかったん……ですか!!」

 唐突に気付いたが、切国も刀剣男士、つまり神様なんだった。粗相をして神様の機嫌を損ねる訳にはいかない……。つい今までの癖でタメ口を聞いてしまっていたが、今思えばかなり無礼なことをしているんではなかろうか……。

「いやあの、知っていたなら教えて下さったら良かったのになぁと思ったりなんかして……」
「急にどうしたんだ主」

 俺が急に口調を変えたことに不審がっているが、俺はこの神様の機嫌を損ねないように考えるので頭がいっぱいだ。切国は戸惑っている俺を見て何かを察したような表情をしたかと思うと、ああ、そういうことかと小さく呟いた。

「安心しろ主。神と言っても俺達は所詮付喪神。俺達を刀として所有している人間は、俺達にとって仕えるべき相手だ。祟り殺したりなんて、間違ってもする訳がない」

 切国が言うには、俺達人間が神を敬うように、刀剣男士も持ち主である人間に忠誠を誓うものらしい。

「殺したりしたら、あんたの魂は誰かに奪われてしまうだろうからな。俺はただ、ずっと一緒に居たいだけだ……。たとえこの身が折れようとも、あんたのことは俺が守る。そしていつか俺の神域に……」

 切国はただの人間でしかない俺なんかの傍にずっと居てくれるらしい。ヤバい、俺の初期刀が超絶イケメンだ。頼りにしてる! 抱いて! いや、嘘嘘。それは流石にない。

「だいたい、わざわざ祟らずとも、人の身を得た俺達は人間の何倍も身体能力が高い。人間など赤子の手を捻るよりも簡単に殺せる。祟る方が面倒なくらいだ」

 前言撤回。俺の初期刀が悪い方向にヤバい。ていうか刀剣男士超怖ぇ。







「え……カラ松、俺達と同じ刀剣男士じゃなくて、審神者だったの……?」
「そんな……カラ松くん、どうして黙っていたんだい?」

 次の日、俺は覚悟を決めて真実を告げることにした。加州や燭台切が呆然と呟くのを見て、俺は心が痛んだ。騙されたと詰られるかもしれない。人間なんて出て行けと追い出されるかもしれない。それは仕方がないことだ。

「すまない、皆……! だが、騙しているつもりはなかったんだぜ? そもそも審神者のことも刀剣男士のことも知らなかったんだ。だから騙してたとかじゃなくて……」
「じゃあ何か? カラ松の旦那は初めて会ったあの日、訳も分からず俺達を助けるために時間遡行軍を倒して見せたって訳か?」

 薬研の言葉に他の皆の顔つきが変わった。何だか殺気のようなものを感じ、思わず身構えてしまう。

「何でそんな無謀なことしたの!? カラ松、じゃなくて主に何かあったら、俺……! もう二度と出陣なんてするなよ……!」
「加州、様。あの、俺は頑丈なんで、厚樫山くらいなら大丈夫だと思うんですけど……」

 加州が必死な表情で俺に縋り付いてきた。何だか怒っているらしい。そのまま衝動的に絞殺されたりしないだろうかと不安になり、思わず変な声が出そうになったが、何とかこらえることができた。

「主、何でそんな他人行儀なんだよ? 俺のこと嫌いになった? 俺が頼りにならない?」

 何ていうか、加州って結構めんどくさい性格だったんだな……。
 加州から逃げるよう一歩後ろに下がると、誰かにぶつかってしまった。

「私は自分が恥ずかしい。仕えるべき相手に、知らなかったとはいえ無礼な態度を取ってしまった……。どうかこれまでの無礼をお許しください。この一期一振、今後は誠心誠意主にお仕え致します。何なりとお申し付け下さい」

 一期一振が深刻な顔で謝罪して来たかと思ったら、深々と頭を下げてパシリ宣言してくれた。こんな王子様フェイスの奴隷とか扱いづらいからいらない……。 

「カラ松が刀剣男士じゃなくて審神者だってことは分かったけど、そもそも人間なのか? 俺達より霊力も高けりゃ腕っぷしも強いし、カラ松って実は人間じゃないのか……?」

 何とおっしゃいましたか御手杵様? 訝しげな顔をして俺を見るのはやめてくれ。お前の隣に居ると実家にいるような安心感を覚えていたのに、突然戦場に放り込まれた気分だ。

「カラ松くんが人間じゃないって? ああ、確かにそう言われた方がしっくり来るね。カラ松くん、君は本当は僕らと同じ存在……いや、僕らよりもずっと上位の存在なんじゃないのかい?」

 燭台切様!? 俺、人間! サル目ヒト科ヒト属のヒト! ホモ・サピエンス! 誤解を広げようとするんじゃない、このホスト侍が!

「俺は常日頃からカラ松の旦那が審神者ならいいのにと考えていたんだ。カラ松の旦那が何であれ、俺の主はあんただけだ。これからは大将と呼ばせてくれ」
「薬研だけ抜け駆けなんてずるーい。俺だってカラ松が主で良かったと思ってるし。綺麗にしてるから、俺のこと棄てないでよね、主」

 薬研と加州は全く否定してくれない。何でみんな俺が人間じゃないこと前提で話を進めるんだ! 普通に人間だよ。見た目通りのただの人間だっての!

 ああ、どうしよう。皆が話を聞いてくれない。
 だが、どうやら俺が追い出されることはないようだ。祟られたりもしないらしい。そこだけは安心した。
 これまで通り出陣もしてくれそうだし、取り敢えずは一件落着ってことでいいかな……? もうめんどくさいし、誤解は追々解消していく方向で。



「主は人間だと思っていたが、まさか俺達よりも神格の高い神の類だったのか……これでは隠すこともままならないな……」


 俺のソウルメイト山姥切国広様が心底困ったような悔しそうな顔で、とんでもない言葉を残していった。大きな勘違いを是正したはずなのに、また新しい勘違いが発生してしまった俺は途方に暮れた。しかも何だか根が深い。果たして俺はどうしたら良いのだろうか……。教えてさにちゃんのみんな……!




997:名無し@通りすがりの審神者 2205/11/3(日) 21:01:20.18 ID:ma2resO2
次男は悪い奴じゃないけど、虐げられてた刀剣男士は人間に何するか分からんからなぁ……
ここ見てたらまた書き込んでくれ

998:名無し@通りすがりの審神者 2205/11/3(日) 21:10:87.22 ID:2ndere/86
おーい次男!
さっさと返信しろよバカ!

999:名無し@通りすがりの審神者 2205/11/3(日) 21:59:18.72 ID:tsu/ko3tai
結局帰って来なかったな
神隠しでもされてなきゃいいけど

1000:名無し@通りすがりの審神者 2205/11/3(日) 22:22:22.22 ID:senpai328
次男の奴、無事だといいけど…

1001 名前:1001 :Over 1000 Thread
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もう書けないので、新しいスレッドを立てて下さい。


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