ホラー・狂愛夢

□ポラロイドカメラ
1ページ/1ページ


 俺は最近ツナ、山本、獄寺の三人組とよく連んでいる。野球部の俺は元々山本と仲が良かったのもあって、すぐに打ち解けられた。

 ツナはみんなにダメツナなんて言われているが、接してみると優しくて良い奴だった。獄寺はよく俺や山本に突っかかってくるけれど、その言い合いが見ていて結構楽しかったりする。

 そして今は昼休み。俺は一人購買へ行っていたため遅れて屋上に入ると、何故そんな話になったのか三人は心霊現象について喋っている。

「刹也、ここ座りなよ」
「おお、サンキュ、ツナ。ところで何で心霊写真の話?」

 少し横にずれて俺の座るスペースを空けてくれたツナに感謝しつつ、理由を聞けば説明してくれた。なるほど、俺は見ていないが、昨日テレビで心霊写真の特集やっていたかららしい。

 獄寺とかこういう話好きそうだな。逆にツナは苦手そうだ。

「なぁ、心霊写真の実物って見たことある?」

 俺がそう問えば、ツナがブルブル震えながら大きく首を横に振って否定した。やっぱり怖がりだなぁツナは。そんな所がちょっと可愛いとか思ってしまったのは気のせいだ。俺は断じてホモじゃない!

「ないよ! ってか見たくもない! 刹也はあるの?」
「俺もねぇなぁ。一度くらい本物見てみたいんだけどなぁ」
「けっ、あんなのカメラの多重露出かハレーションでそう見えるだけだ。下らねぇ」

あれ? UMAとかそういうのには興味ある癖に、心霊写真は科学的に否定してくるのか。相変わらず変な奴。

「ロマンがねぇなぁ獄寺は。山本は見たことある?」

 いつもは会話の中心で喋っているはずの山本がさっきから妙に静かだ。どうしたんだろうと思い声を掛けてみると苦笑いされた。そして話し始める山本。

「実はさぁ……昨日その心霊番組をテレビ見た後、面白半分に写真を撮ってみたんだ」

 丁度家にポラロイドカメラがあったらしく、試しに部屋で自分の写真を撮ったのだと言う。よくポラロイドカメラは心霊写真が写りやすいって言うからな。

「1枚目を見たら何か端の方に変な影みたいなのが見えたんだ。でも、獄寺が言うみたいに、撮り方のせいでそうなったのかなって思った。で、もっとすげーのが撮れないかと思ってもう一回撮ってみたのな」



「2枚目を見たらぼんやりと人影が半分位写ってんの。お、何だ!? とか思って後ろを見ても何もないんだよなぁ……」

 この時点でツナは完全にビビってる。それを見た獄寺が10代目を怖がらせんじゃねーとか叫んでるが無視。山本に続きを催促する。何でも懲りずに3枚目を撮ったらしいのだ。



「そしたらさ……俺の後ろにデカい鎌を振り上げた男がはっきり写ってんのな……流石に怖くなって撮るのやめたんだ」


「……ネタ?」
「いや、マジ」
「……そ、それってかなりヤバくない……!? 身体とか大丈夫なの山本!?」

 ツナは山本を心配しているが、獄寺はまだ信じていないのか、ただ信じたくないだけなのかは知らないが、その写真を持って来いと言う。実際に見ないと納得できない、と。



「それがさぁ、怖くてその写真全部燃やしちまったんだ!」

 あははと笑いながら言う山本に対し俺達3人は呆然としながら、そんな事するお前が一番怖ぇよ!! と、心の中でハモった。



あれ…ギャグ?


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ