自分らは写真に写るはずのないモノゆうたら何を思い浮かべるんかいな? 幽霊? せやろ、そう思うやろ。 でも俺は心霊写真紛いのものは撮れてもおかしないと思うんや。ちょっと手振れとかで撮り損ねた時とかにも変な光が入ったりすることあるやろ? 心霊写真がテレビとかで騒がれてる通り、その程度はよくある事なんや。 でもな。こればっかりは説明出来へんのや……。 「侑士……誰に向かって話し掛けてるのよ……」 「そう拗ねんとき。俺が愛してるんは菜月だけやから」 「キモイよ。……ていうか、怖い話してくれるんでしょ? 雰囲気が台無し。ほんと駄目な奴ねアンタは」 あぁ、今日も毒舌やな菜月。でも、そんな所も愛してんで。たとえ死んでも愛しとる。 話を戻すと、俺は生まれて初めて心霊写真らしきものを撮ってしもうたんや。この写真どないしよ…… 例えばそれが、ただちょっと顔みたいなもんが写り込んどるとかなら、たまたま光が入ったんやなぁって考えて納得出来るんやけどな……。ほら、人間誰でも点が三つあれば人の顔に見えるって言うやろ。 「で、その写真がこれなんやけど……」 菜月に写真を渡すと、疑いの目を向けながらも受け取った。だがすぐにその表情は恐怖へと変わる。 本来ならその写真は菜月と子猫が写っとる写真やった。前に拾ってきた子猫を菜月が抱いている所を撮ってん。菜月も子猫も可愛いんやけどな…… 「キャ……っ! な、何コレ……!?」 やっぱり気持ち悪いやろな…。俺も初め見た時は反射的に目を逸らしてしもたしな。 でも、もう一遍よく見てみたんや。まさに今菜月がしとるように。 「え、ちょっと待って……? コレって……」 そうなんや。俺も自分の目を疑ったわ。 「侑士、じゃない……? 写ってるの……」 そう、俺が写っとんねん。撮ったんは間違い無く俺やのに。写るはずのないこの俺が。この写真、どうしたらええんや……。 こんな、火のようなものがついた首に、悶えるように叫ぶ紫色をした捻れる俺の顔が写った、この写真を…… 忍足…(´・ω・)カワイソス |