present novels

□とりかえっこ
1ページ/6ページ


ひつじさんへ

【とりかえっこ】



ある夏の日のあつーい日。
いつもながらお家でツーちゃんとミュウちゃんは暑さと格闘していました。

何せ今年は去年の延長戦の様な猛暑。
ゆでだこになってしまいそうな勢いで暑さがイジメの如く二人を襲います。
ちょっと「太陽の馬鹿野郎ー!」と叫びたくなる衝動に駆られるような今日この頃。


「あつーいよー…ねぇねぇアツイよー」
「『暑い暑い』と思うから余計に暑くなるのだ。心頭滅却すればなんとか持ち越せる」
「せんとうめっきゃく?お風呂屋さんをどうするの?」
「心頭滅却…銭湯を滅却してどうする…」


猛暑+ミュウのボケ

この強烈なダブルコンビネーションにミュウツーは心身共に疲れ切っていました。
必需品のマイ団扇で必死にパッタパッタ扇ぎますが、その風さえもなんだか生暖かい。

いつもならこのミュウのボケも「嗚呼、可愛らしいなぁ〜//」とのろけてお終いなんですが、今日はそんな余裕は彼に一切ない様です。
彼が「とにかくこの暑さをなんとかしたい」「涼しい夜よ早く来い!」と心中で祈っていたりしたのは多分気のせいではないでしょう。


「あーもう!アツイよアツイよ死んじゃうよー」


我慢の限界がきてミュウがぐずり出しました。
ミュウツーが座っているソファのすぐ後ろで、ゴロゴロ三歳児がダダを捏ねる如く喚いています。


「あーわかった!わかったから静かにしてろ!」


まるでお父さんみたいな言い方でミュウを叱りますがそんなことでミュウの機嫌がなおるわけありません。
一度ご機嫌斜めになると、ミュウはなかなか機嫌が良くならないのです。


(ああ、もうコイツは…)


なんでこう言う事を聞いてくれないんだとミュウツーは頭を抱えました。
抱えつつもミュウの頭を撫でてあげるのは、そこはやはり愛でしょうか。詰めが甘いツーちゃんです。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ