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□ホシに願いを
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「お、きたきた!」


其処にはいつものメンバーが揃っていた。
皆折り紙やらはさみやらのりやらの工作道具を持っている。

どうやら全員飾り作りをやっているらしい。


「どうだーほら!これ上手くできただろ未來ー」
「わぁ凄い!手先器用ね雷輝」
「ほれ見てみ波留!この最高傑作を!」
「お、大きいですよ…何が何でも大きすぎますよ…」


…………。

なんやかんや言いつつ皆飾り作りを楽しんでいるらしい。
童心に返るのは良い事だが。

馬鹿馬鹿しい

呆れた言葉が咲夜の頭の中に響いた。


「おーし!短冊書くぞー!」


と言いながら短冊形に切り取った折り紙を配るのは雷輝。
そしてマジックを未來が手際よく配っていく。
勿論その物は内心呆れていた彼の目の前にも配られた。

それぞれが思い思いに願いを書いていく。
一枚書いただけでは足りず、二枚、三枚と枚数を積み重ねていった。
するとそれはいつしか競争になり、誰がどれだけ短冊を書くかで勝負する様な形になった。

一枚目で手が止まっているのはやはり咲夜だった。
どう考えてもこういうのは彼の柄ではない。
いざ書こうとなるとあれこれ真剣に考えすぎてしまって書くに書けない。
もっと楽に考えればいいものを…しかし性格上どうやらそれは不可能らしい。
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