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□ホシに願いを
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「あとね、これ」


と日向が言いながら残りの短冊を見せる。
二、三枚の短冊を持っていて、それを渡される。
短冊にはこうかかれていた。

――みんなとずっと仲良くいれますように

――みんなと笑っていますように



「サクとずっと一緒にいれますように」
「 ! 」


最後の一枚を日向が読み上げる。
その願いを彼は聞き逃すはずもなかった。
何故なら、その願いは……


「なッ!」


呆然とし手からするりと自分の短冊が落ちるのを彼女が素早く取り上げる。
いとも簡単に日向に短冊を奪われてしまった。


「えーっとひなたと…」


声に出して言おうとしたがそれは続かなかった。
言おうと思ったら言えたのだが、驚きで声が喉に引っかかって出てこなかった。

紙にはこう書いてあった。

――日向の側にいられる様に…


「サク………」


「本当なの」と問いかける様に彼を見つめた。
向けられる紫の瞳。それは鋭いモノではなく優しいモノ。
彼女の頬は赤らんでいたが、彼もまた顔が熱くなっていた。

自然と見つめ合ってしまう。
互いの瞳に吸い込まれそうになってしまう…

このまま吸い込まれてしまったら…


「おーい咲夜ヒナー!飾るぞー」


雷輝の声に現実世界に呼び戻された。
後少しで戻れないくらい二人だけの世界に入ってしまいそうになっていたので危ないところだ。
ボケーッとしている二人にまた声が掛けられる。


「どうした?熱でもあるのか二人共?」
「う、ううん。なんでもないよ」
「あ、ああ。すぐ行く」


雷輝は二人を見て不思議に思えたが、気のせいだと思って仲間のとこに戻って行った。

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