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□ソルジャーザックスの災難
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8番街へ偵察、もとい散歩に出かけていたが、道行く人に後ろ指刺され、こそこそ話される。

嫌な雰囲気だな、本当に。階段を昇り、駅のホームへ向かっていたら、擦れ違った女の子に呼び止められる。手には赤い小さな花。はい、と手渡させたので受け取って、ありがとうお嬢ちゃん、と答える。少女がニッコリほほ笑むのを見ると、気持ちが軽くなった。

ほんとありがとう、お嬢ちゃん。頭を撫でていると、
「幸せになってね」

何の話だ、一体。




ソルジャーザックスの災難




少し遠くで少年が新聞とオレを交互に見ているのが目に入った。

少年に近付くと、オレを見てわたわたした。

新聞を覗き混むと、3面記事。いつも電車の話しかしないのにな。知識に目覚めたか少年。
ざっと見ていると、『セフィロス』『恋人』と書かれている。

いや、人嫌いのセフィロスが恋人など作らないだろう。続けて読むと
『初恋実る』

『相手は年下で結婚秒読み』

マジかよ。更に読み進めると信じられない文字が書かれていた。


『ザックス』




思わず新聞をぶん捕り、声をあげた。建物に反射してこだまする。顔を赤らめた少年からの強いまなざしが痛いほど刺さる。

「兄ちゃん、セフィロスと結婚するのか」

一面には大々的に写真まで載せられていた。


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