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□それは世界でいちばんの
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最初は、ただの憧れ。
次は、小さな苦手意識。
今は……飼い犬、扱いされてる。
たぶん、そのポジションに甘んじて、ちょこっとだけ満足してるのが、いけないんた。
わかっているけど。
いちばん側に居る、そんな些細な優越感。
これは、簡単に捨てられるものじゃないだろう。






















それは世界でいちばんの























「…どうした、子犬」

「子犬じゃねーっつの」

「なら、ただの犬か」

「犬じゃない!ヒト!ホモサエピンス!」



久しぶりに過ごす、二人きりの休日。
ソファに並んで座って、ぴたりとくっついて。
今日は特に機嫌が悪いみたいだから。
少し甘えてみせても、結局辿り着くのは押し問答。
競り負けるのは、いつも俺。



「ホモサピエンスだ、駄犬」



言われて、顔に熱が集まるのがわかる。
いつも、そうだ。
ジェネシスは、物知りで、意地悪で。
たまに、優しくて。
俯いて黙っていれば、くしゃりと髪を撫でられた。



「そう拗ねるな」

「だって…」

「随分と面白い顔をしてるぞ」



くつくつと喉を鳴らせて、意地悪く笑う。
何がおかしいんだと顔を上げれば、鼻先に落とされた唇。
照れ臭くて、恥ずかしくて。
でも、嬉しかった。




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