頂き物
□ある冬の寒い日に
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ある冬の寒い日に
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「あ〜〜さみィな〜」
ついさっきまであの高い空を覆い隠すような雲として存在していた真っ白な雪の上を、さくさくと軽い音を立てながら歩く。
繁華街では人々に踏みしめられて積もる暇なく消えてゆく雪も、人通りの少ないこの辺りではうっすらと積もり純白のカーペットのように敷き詰められている。
雪というものはいくつになっても心を高揚させる力を持っているようで、個人差があるにしろ、それは銀時と新八にとっても例外ではなかったのだが。
今はそれよりも肌を刺すような寒さの方が勝っていた。
「寒い寒い言ってるから余計に寒くなるんですよ」
「じゃあ暑い暑い暑い〜」
「だからって暑くなる訳じゃありません」
予想通りの反応を返した銀時に、新八はさらりとツッコミを入れる。
「…新ちゃん冷て〜」
銀さん心まで寒くなっちゃうよ、とかなんとか言ってるけどもうツッコむのもめんどくさい。
「もう、だったら早く帰りましょ…っ、ぅわ!!」
つるッ、びしゃッ。
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