花言葉

□むらさきヒヤシンス(土新)
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「なんてゆーかアレだな」



「はい?」


今日は土方さんの奢りということで町に出掛けた。





そわそわと落ち着きがないこの大人をどうしようかと思い映画に誘った。


今巷で流行りの“錯乱”を。



「退屈だったな」


いるよね、こーゆー空気が読めないやつ。
人がせっかく映画の余韻に浸っているのにこの大人は何もわかっていない。

だからといって僕が反抗的な態度を取るとかえって場の空気が悪くなる。だから僕が大人になるしかないんだ。


「そうですねー…」


頭にタモリさんが出てきそうになる自分の返事に苦笑いをしてしまう。


「大して過激でもなかったな」


コイツは過激を求めて映画を見ていたのかと腹立たしい発言に落ち着けと自分に言い聞かせた。


「まぁ僕は歌舞伎町で働いてますからね」


あんなもの慣れっこですよと答えたらタバコに火を着けた男の眉間にシワができた。

しまったと思ったときには既に遅く一人足を進めていた。

「(ん?てゆーか何で怒ったんだろ?)」

とりあえず土方さんに遅れをとらないように必死に追い掛けた。






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