頂き物

□ある冬の寒い日に
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先を急ごうと歩幅を広げた新八は、ちょうど表面が凍っている部分に片足を着地し、派手に滑って尻餅をついた。


「いった〜…って、あ!卵!!」


慌てて右手に持っていた買い物袋の中身を確認する新八。
尾骨を走る鈍い痛みよりも、先程購入した卵のパックを心配する辺り、『どこまで家庭的なんだァァ君は!!』とどっかのゴリラから聞こえてきそうなものだ。


「よかった、無事だ…」

卵の無事を確認した新八はほっと胸をなで下ろす。
今月も家計はギリギリなのだ、貴重な食料を無駄にする訳にはいかない。


「おいおい、大丈夫か〜新八」

銀時が屈んで買い物袋を持っていない方の腕を伸ばす。

「あ…はい、すいません…」

急に恥ずかしくなりつつも、差し出された手を掴むと、それは予想以上にひんやりと冷えていて。


「うわっ、冷たっ」


「お前もな。…よっ、と」


「わわっ!!」



足元が滑る上に強い力で引っ張られたため、引かれる勢いのまま新八はぽすっ、と銀時の腕の中に収まった。



「ご、ごめんなさ…」


慌てて離れようとした新八だったが、しかし銀時の力強い腕によってそれは叶わなかった。




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