花言葉
□黄色のヒヤシンス(銀新)
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寒い寒い部屋の中、僕達は自然に寄り添った
万事屋にはストーブ、ましてやヒーターというものが存在しない。
あるのはコタツと背中の温かさ
背中からじんわりと感じる温度
生きている音が伝ってくる
「銀さん…………」
無意識に出した声はか細かった
それでも銀さんは聞き逃す事なく何?と顔を覗かせた
大した用も無いのに呼んでしまった事をごまかすために身じろいだ
「動けないんですけど………」
「ふーん…」
素っ気ない返事のわりには僕に巻きつく腕はさらに力が込められる
その行動に恥ずかしくなった僕は銀さんの顔を押しやった
押しやった手を握られてそのまま見つめられて冷たいなと笑われた。
「そりゃ…水仕事しましたもん」
自然に向き合う形になって握られた手はまだ冷たいまま
すると銀さんは僕の手を服の上から自分の脇に挟んだ
「何してるんすか…」
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