今日は蹄(ひづめ)について…
では、さっそく。
ダートコースは、良馬場であれば1年を通して状態が著しく変わることはない。
しかし、雨が降ったりすれば、蹄による重の巧拙は大きく違ってくる。
芝の場合は、どうか?
芝コースは、春夏秋冬それぞれ姿が違う。
いくらオーバーシード(洋芝)になったとはいえ、冬の芝は気温が低く水分が蒸発しにくいところに、古根が地面にしがみついているだけだからすこぶるもろい。
また、地面の柔らかいところと堅いところ、それに、芝の古根の塊がいじまじりになって、いわゆるボコボコの荒れ馬場状態になる。
よって、蹄が古根、土の塊などに肢を取られやすくなり不安定このうえない。
また、
雨の降り出しは滑り易くなるなど、馬場状態で有利、不利の蹄がある。
どれだけ影響するのか?
車のタイヤを思い出してもらえば、わかりやすいと思う。
天気のよい日だと通常のタイヤでいいが、雨降りだとノーマルタイヤより、ラジアルタイヤが適し、雪やアイスバーン等では、スノーウタイヤ、チェーンを巻いたりと、それぞれの用途、目的によって換えることができる。
馬の蹄は雨が降ってきたからといって、当然、すぐに替えることができない。というわけですね。
具体的に。
まず、標準蹄型について。
*標準蹄型は、形、大きさ、蹄底も中程度。
芝コースは、万能型が多いが、どちらかと云えば良馬場に近い方が有利である。
但し、蹄底が深ければ重馬場もこなせる。
これがよく見る標準の蹄です。
次に、【立ち蹄型】
*立ち蹄型は、角度がきつく、きっ立てのコップのように寸胴型で一般的に小さく蹄底が深い。
芝コースでは荒れ馬場、重馬場などに適している。
反面、良、スピード馬場などは不利になる。
ダートコースでは良馬場、硬くてパンパンの力の要る馬場状態が有利。
反対に脚抜きのよいスピード馬場(稍重)や重馬場などは不向き。
角度がすごい立ってます。
これが、荒れ芝向き。
【起き蹄型】
*起き蹄型は、晴れ雨兼用。
お椀のような型で一般的に大きく蹄底はやや深い。
芝コースでは、時計がやや掛かる荒れ馬場、重馬場などはやや有利。
ダートコースは、重、良馬場ともこなす程度。
最後に、【ベタ蹄型】
*べた蹄型は、あひるのクチバシに似て蹄先が上方に反り返っていて蹄底が浅い。
パンパンの良馬場でスピード馬場が有利。
特に、荒れていない開幕週が有利。
荒れ馬場、重馬場などは不利。
ダートは、やや重、重馬場などスピード馬場が有利。
良馬場、パンパンの硬い力の要る馬場は不利。
これだと雨で滑っちゃうんです♪