その他

□名探偵コナン
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杯戸ショッピングモール
AM 11:00


「これもいいわよォ」

「そ、そう?」


丈の短い、ワインレッドのワンピース。ハイネックの首元は上品なレースで透け感があり、綺麗なデコルテと胸元が見えている。袖と丈にも同じくレースが使われており全体的にシンプルだけど華やかだ。

園子ちゃんの手には他にも2着ほどのドレスがあり、さらに後ろでは蘭ちゃんがニコニコしながら物色中てある。


「…ねーちょっとスケスケすぎない?」

「だまらっしゃい!ガキんちょには分かんないのよォーこのお洒落が!オホホホ」


試着室の前で腰に手を当てた園子ちゃんと、園子ちゃんをじと目でみる新ちゃ…コナンくん。
今日は蘭ちゃんと園子ちゃんとコナンくん、みんなとショッピングに来ている。


「でーもー!茉莉ねぇちゃんが悪い男の人に声かけられたら困るよ!」

「う゛…ま、たしかに」




なぜ皆でショッピングに来ているかというと、遡ること昨日。

急に仕事が延期になって、学校帰りに哀ちゃんに会いに博士の家に行ったら何故か昴さんも着いてきて、しかもそこには新ちゃんが居た。

で、あれよあれよと新ちゃんに拉致られ、蘭ちゃん家で夕御飯をご馳走になったのである。

ちなみに昴さんはレポートがあるって着いて来なかった。じゃーなんで博士ん家に着いてきたのよぉー。

そんで、


「久しぶりねー、茉莉ちゃんが家に来てくれるの!コナンくんも嬉しいよねぇ」

「うん!ボク茉莉ねぇちゃんに会いたかったんだー」


兄さん…。
笑っちゃうからやめて!
私の願いが届いたのか、新ちゃんが凄い顔で睨んでくる。なによォー新ちゃんがぶりッ子するから悪い!


「お邪魔しちゃって、ごめんね。蘭ちゃん」

「全然!茉莉ちゃんに会えて嬉しいわ」


天使か。

新ちゃん天使と結婚するのか。


「おー子供が遠慮すんな。食ってけ食ってけ!」

「小五郎おじさん、ありがとう」

「いやァーしかし。久しぶりに見たらますます有希ちゃんに似てきたな。べっぴんに成長して…」

「そうかなぁー自分では分からないけど。ありがと!おじさん」


ぱちってウインクすれば、おじさんの目がハートになる。蘭ちゃんが半目でおじさんのビールを奪うと、いつもの言い合いが始まっていた。


「もーコナンくん強引に連れてきて何のつもり?」

「オメーが全然顔出さねーから仕方なくだよ。仕事あるって分かってっから普段はしょーがねーけど。一応俺が保護者代わりなの忘れんなよ」

「昴さんは?」

「昴さんはお目付け役」

「…小学生のくせに」

「なんかいったか?」

「べっつにィー」


蘭ちゃんお手製の夕御飯を頂いて、蘭ちゃんと一緒に食器を洗う。

蘭ちゃんのご飯、美味しかったー!
コナンくんはいつもこんな食生活してるのか。ずるくない?

私なんて蘭ちゃんとママの作ってくれた作りおきか、昴さんの煮込み料理だよ?昴さんてばすぐ失敗するし。
自分で作っても蘭ちゃんほど美味しくできない。


「あーあー!新ちゃんはいいなぁ、将来も蘭ちゃんのご飯毎日食べられて…」

「ちょ!茉莉ちゃん?!」

「新ちゃんと結婚したら義妹だし、私にもご飯食べさせてね蘭ちゃん!」

「ば!バーロー!!何言ってんだよ!……って、新一にいちゃん言ってるよ…!あはは」


つい新一の口調がでちゃって、慌ててスマホを指しながら誤魔化すコナンくん。
蘭ちゃんは新一と繋がってるの?!ってコナンくんのスマホを手にとって、通話が切れてるのにガッカリしている。
蘭ちゃん可愛そう…。兄さんなんかに弄ばれて…。


「新ちゃんのケチ。いーもん。私だって、料理の上手な人と結婚するからぁー!」

「…いや、まずお前が料理出来るようになれよ?」


コナンくんが呆れた顔で言ってくる。
自分が余裕だからって嫌みったらしいわね!


「…そういやァ、今度、高校ん時の同級生が結婚するんで、祝いに呼ばれてんだ。茉莉ちゃんも一緒に来るか?あいつ有希ちゃんにゾッコンだったから喜ぶと思うからよ!」


何だかんだと言い合いしてたら、小五郎さんがビール片手に思い出したように言った。


「え!ママの元彼氏?」

「ハハ!ちげーよ!連戦連敗!ふられ続けてたよ。有希ちゃんはあの頃から可愛くて皆の憧れだったからなあ」




…で。
またもやコナンくんの強引な推しに断れず、参加が決定。

ふられた相手の娘とか…別に会いたくないよね?むしろ嫌なんじゃないの??

一応ママに連絡してみたら、「あらー!懐かしい!プレゼント送るからよろしく言っといてねェ!!」
って軽く返された。そんなにシリアスな関係じゃないっぽい。みんなノリが軽いのでそう結論した。
…大人って解らない…。



そういう訳で、蘭ちゃんと園子ちゃんがショッピングをかねて可愛いドレス(といってもラフな外行きワンピースだが)を一緒に選んでくれているのである。

…成り行きってこわいわ。

結局、あまり露出のない膝丈でレースがついた清楚なワンピースに決定した。色は淡いオレンジ。色が綺麗でこれに決めた。
園子ちゃんはちょっと悔しそうで、蘭ちゃんとコナンくんは満足そうだった。

服が決まるまで随分着せ替え人形にされていたので、もう私はお腹いっぱいなんだけど…。

このあと勿論、4人でケーキバイキングもした。幸せだった!

……でも今度からこういう買い物は麗子と来よう。そうしよう。
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