聖 剣 L O M

□四つ葉探し
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レイリスの塔から帰ってきて数日、また瑠璃と出かける事になりました。





四つ葉探し





「こんにちは〜!」

「いらっしゃい・・・・フレイア」

フレイアはいつものようにレイチェルのバイトしている『アマンダ&パロット亭』へと足を運んでいた。

「今日はもう終りそう・・・?」

「ごめんなさい・・・今日は予約が入ってて、遅くなりそうなの・・・・」

「あら〜・・・・。レイチェルが早番なら一緒にお茶でも。と思ってたんだけどなぁ・・・」

「本当にごめんね・・・」

「気にしないで! 元々約束らしい約束もしてなかったんだし・・・。また今度って言う事で!」

俯いて落ち込みそうになったレイチェルにフレイアは慌てた。

「ね?」

「・・・・うん。また今度ね」

焦った様子のフレイアに、レイチェルは気付いたのだろう。すまなさそうにしながら、返事を返す。

レイチェルに挨拶した後フレイアが酒場を出ようとした時、窓際の席に見慣れたマントを羽織った青年がいるのに
気がついた。

「・・・・あれ? あそこにいるのって・・・」

青年は窓の向こうを見ていてこちらに気が付いていない。フレイアはそそそ・・・と青年に近づいていった。

「瑠〜璃っ!」

「うわぁっ!」

それほど吃驚したのだろう。いつもはそんなに驚かないのに、青年― 瑠璃 ―は珍しく驚いた声を上げた。

「・・・・・そんなに吃驚しなくとも」

「いきなり耳元で言われれば誰だって驚くだろう!!」

口を3の字にして珍しそうに瑠璃を見るフレイアに、瑠璃は顔を赤くしながら抗議している。

「そんな事もないでしょう?」

フレイアは同じような事をしても動じなかった、兄とレイチェルの父・マークの事を思い出す。

・・・・・とりあえず、あの二人は他とはちょっと違うという事を覚えようか、フレイアさん?

「普通は吃驚するだろう!」

「まあ、それは置いておいて」

「置いておくなっ! ・・・・はっ! と、ともかく、この間は助かった。改めて礼を言う」

「ん? ああ・・・・・。気にしないで。私もああいうのは放っておけない性質だし」

真珠姫を探して各地を転々と回った時の出来事は、フレイア自身も楽しかったらしい。だから気にする事は無い。
ということだ。

「そうか・・・・」

「うんうん」

なんとか納得した様子の瑠璃にフレイアも微笑む。

「あれ・・・そういえば、真珠姫は? まさか・・・・、また迷子?」

「いや、今回はちゃんと宿の方で待っている」

「そっか〜〜。よかった」

部屋から出るなと念を押してきたという瑠璃にフレイアはほっと安堵の溜息を吐く。

「真珠も戻ってきたことだし、そろそろ仲間を探すのを再開したいんだが、な・・・・・」

「・・・・・? どうして? 真珠姫は戻ってきたんだし、他に気にする事もないでしょう?」

「いや・・・この間から真珠の様子が少し変なんだ・・・」

「変?」

「ああ、仲間を探しにいこうとすると落ち込んだ表情になったり・・・・、気になってしまって、な」

「・・・・・・・・」

フレイアはレイリスの塔での事を思い出していた。あの時、真珠姫は仲間が見つからなければいいと言っていた。

宝石泥棒に命を狙われた事。仲間が姫だったら自分が捨てられるんじゃないかという心配。

瑠璃はそんなことする奴じゃないよと言っても、納得していなかった。

捨てられて、一人になった時の事を考えすぎているんだろう。

真珠姫自身がそういう不安を瑠璃に話していない以上、フレイアが勝手に伝える事は出来なかった。

「ふむ・・・。じゃあ、私も一緒に探そうか?」

「え・・・・? いいのか?」

「うん。丁度暇してたとこだしね」

「そうか・・・・。助かる」

「いえいえ」

安堵の表情を浮かべる瑠璃に、フレイアもニコリと笑った。






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