真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ
□新妻仕様
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がたっと扉を開け、室内に入る。
「あっ、伯符様・・・お帰りなさいv」
閨の中から陸遜の声がした。
−気のせいだろう・・・もう、寝ているだろうし・・・−
先に休むと言って自室に戻ってからだいぶ時間が過ぎている。
すたすたと閨の方に入ろうと薄布をめくり上げた。
−そこには、
「おかえりなさい」
布団の上で三つ指をつき、首をちょこんと傾げ、上目使いに見上げている陸遜がいた。
「な、な、なんでっ・・・!!」
慌てて後ろに下がると
−ごろんっ
何かにカカトがぶつかった。
「・・・なんだコレ?」
足元には数本の酒瓶が転がっていた。
「・・・・・・一人で飲んでいたのか」
酔いが顔に出にくい陸遜がほんのりと頬を紅く染めている。
じーっと孫策を見つめていた陸遜は、にこーっと艶やかな笑みを浮かべつつ頷いた。
その笑みにくらぁ〜っ、ときそうになったが何とか平常心を保つことが出来た。
「めずらしいな・・・そんなになるまで飲むなんて」
目線を逸らしながら、頭をポリポリとかく孫策は頬を紅くしていた。
「・・・だって、伯符様なかなか帰っていらしゃらないんですもん・・・。だから、待っている間お酒でも・・・と」
かすかに眉根を寄せて、むーっと拗ねる陸遜に孫策の理性が音を立てて崩れそうになりかけたが、ほんの
少しだけ保つことが出来た。
「・・・まったく。そんな可愛い事言うんじゃねぇよ。・・・好きだぜ、陸遜」
ほんのり染まっていた陸遜の頬が、真っ赤になった。
「そん・・・な、こと・・・今・・・言わない−−んっ!」
真っ赤になった陸遜を見て、最後の理性も音を立てて崩れ去った。
いつもより荒々しい口づけに、戸惑っている陸遜をしり目に孫策は耳元へ口づけた。
耳元に孫策の吐息がかかるたび、身体を反応させる陸遜に腰の砕けるような声で、言った。
「たっぷり、わからせてやるよ。・・・俺の愛を」
にやりと笑う孫策だった。
−終わり−
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