真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ

□大晦日の夜
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年の瀬迫る、12月31日の夜・・・

「はー・・・寒いな・・・」

陸遜は翌日の朝に備えて早く休もうと自室へ向かっていた。

新年の宴は、前日の夜からヘタをすると朝方まで続くので、早々に引き上げてきたのだった。

・・・甘寧殿にでも捕まったら朝まで飲まされてしまうからな・・・

少し急ぎ早に自室へ向う。

角を曲がろうとしたら、同じように曲がってきた誰かにぶつかってしまった。

「う・・・わっ」

「おっと」

跳ね飛ばされそうだった陸遜をとっさに支えたのは呂蒙だった。

「あ・・・呂蒙殿・・・すみません、急いでいたもので・・・」

「いや・・・儂も注意していなかったものでな・・・大事ないか?」

「はい、呂蒙殿が受け止めてくださったので・・・」

かすかに微笑むと、呂蒙は安心したように笑った。

「そうか、・・・っと興覇に呼ばれているんだった。すまなかったな」

じゃ、と呂蒙は足早に宴会場へと向かっていく。

・・・今宵の犠牲者は呂蒙殿か・・・ま、いつものことだけれど

呂蒙の姿が見えなくなると、陸遜は自室へ向かった。


「ふーっ」

奥の部屋から湯浴みを終えた陸遜が出てくる。

どんどんっ

ふいに扉を叩く音がした。

「?・・・どなたですか?」

「俺だ」

「どうぞ、扉は開いてますよ」

ぎぃ・・・と音を立てて扉が開く。

「どこ行ったのか探しちまったぜ・・・」

「・・・すみません、明日の朝に備えて早く休みたかったんですよ」

申し訳なさそうに微笑む。

頬を赤く染めてなんと扇情的なことか、孫策は誘惑に負けそうになった。

「湯浴み・・・していたのか?」

「え?・・・ああ、すみません・・・お見苦しい格好で」

肩から提げていたてぬぐいで濡れた髪を拭くその姿はとても色っぽかったので、
孫策は我慢できなくなってしまった。

ぐっと陸遜を引き寄せると、まだ半分濡れている髪に口づける。

「!。ちょ・・・伯符様?」

髪から頬にかけて口づけられてなんだかくすぐったい感じがするのに、その先の行為に
期待してしまっている自分に恥ずかしさを隠せない。

そんな陸遜にさらに孫策は誘惑されてしまうのだった。



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