真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ

□月光 〜ツキヒカリ〜
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「ん・・・っ・・・・んん」

窓からもれてくる月明かりが眩しくて目が覚めた。

隣には先程まで自分の身体を貪るように求めてきた愛しい人が眠っていた。

陸遜の手を握り締めたまま。

「・・・もう・・・放してくれないんだから」

はにかんだように笑う。

嬉しいけど開いたままの窓を閉めに行くにはちょっと邪魔だ。

そっと手を解こうとすると案外簡単にはずれた。

どうやら熟睡しているようだ。 


・・・今のうちに・・・・


寝台が軽く軋む音に、起きてしまうのではないかと心配したがどうやら起きなかったようだった。

窓を閉めるのに手をかける。

「・・・・満月だったからあんなに眩しかったのか・・・」

夜空を見上げるとこうこうと月明かりが降り注いでくる。

素肌に上掛けのみという誰かに見られたらちょっと・・・な格好で窓際に腰掛ける。

「・・・・たまには月光浴もいいかな」

前をはだけたまま、空に向かって目を閉じ、月の光を浴びる。

はたから見ると天女のようだ。

がたっという物音に、はっ。と身構える。

「ふぁ〜あ、・・・・なんだ起きてたのか」

「すみません、起こしてしまいましたか」

逆光で見えにくいが多分申し訳なさそうな顔で言っているのだろう。

「気にすんな、いいもん見させてもらったからな」

そう言うとにかっと笑う。

はっと自分の姿に気付き前を合わせる。

「・・・・・・/////」

「くくっ・・・」

「・・・そんなに笑わないで下さいよ」

「わりぃ・・・きれいだったぜ、さっき」


・・・天女のようだった・・・


陸遜を後ろから抱き締め、耳元でしか聞こえないような小さい顔で呟く。

真っ赤になった陸遜がむーっとした顔で振り向くと、耳まで真っ赤に染めた孫策がいた。

「・・・・・・」

「・・・・・なんだよ」

「顔・・・・真っ赤です」

くすっと笑いながら言った。

「・・・・慣れてねぇんだよ、こーいうの!」

顔だけぷいっと背ける。

「じゃぁ、めずらしいものを見れたんですね、私」

極上に微笑みに孫策の膨れっ面も元に戻ったのだった。



終わり



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