真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ
□おみやげ
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「伯符様〜」
「んー?どうした」
所用で周瑜の元へ行っていた陸遜が包みを持って帰ってきた。
「…その包み、どうしたんだ?」
出るときには持っていなかったので聞いてみた。
なにせ出掛け先が周瑜の所だったので気になったのだ。
「周瑜様にいただいたんです。なんでも珍しい品物とか…」
「…警戒心と言うものはないのか」
「はい?」
ぼそっと言った孫策の言葉は、はっきりとは届かなかったようである。
−…戦ではあんだけ策をねれるのになんで普段はこうなんだ…(汗) 学習能力っーもんはねーのかよ…−
はふー、と陸遜に見えないように溜息をつく。
クックックッ…と薄笑いを浮かべる周瑜が思い浮かぶ孫策だった。
「…ちょっとみてください、伯符様…」
最初は瞳をきらきら輝かせて、なにかななにかな〜と包みを開けていた陸遜がみょーに冷静な声で言った。
「どした?」
後ろから覗いて見た…。
…………見なかったことにしたい…。
なんとそれは、
『なにやら奇妙な形をしているが使用方法はなんとなく解るような感じのするモノ』であった。
・・・・・・
「…こんな形のものがあるなんて知りませんでしたよ、私」
「ああ、俺もだ」
二人は『なにやら奇妙な形をしているが使用方法はなんとなく解るような感じのするモノ』を観察するように見つめていた。
「…どうする?コレ」
「貰ったからには使わないわけにはいかないでしょう…この文鎮」
……たしかに。
「・・・別に使い方もあるかも知れねぇな」
「はい?」
ニヤリと笑う孫策に背筋が寒くなる陸遜であった。
−おわり−
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