聖 剣 L O M
□迷子のプリンセス
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「・・・・・・貴方が石にならないといいけど」
それが彼女に言われた最初のメッセージだった。
「おいっ!ぶつかったのに謝りもしないのか?!」
タマネギのような頭をしている少年?が怒鳴った。
怒鳴られたマント姿の青年は、何事もなかったかのようにそれを無視して、「アマンダ&パロット亭」へ入っていった。
「・・・・・・どうしたの、ドゥエル?」
町の入り口で、一連の行動を見学していたフレイアは、憤慨している彼に聞いて見た。
「どうしたもこうしたもないさー!マントの男がぶつかったのに謝りもしないで行ってしまったのさー!!」
まだ、怒りが納まらないのかプンプンしながら歩いていった。
「・・・・・・・ふぅ〜ん・・・・・・・。そういえば、レイチェルが酒場でバイトしている時間だわ・・・・・・!」
先ほどの青年が入っていった場所を思い出し、フレイアは『アマンダ&パロット亭』へ急いだ。
「おい、何か知っているんじゃないのか!?どうなんだ!!」
案の定、レイチェルに絡んでいるマント姿の男を見つけた。
レイチェルはおとなしめの子で、人見知りしやすい性格をしている所為か、怒鳴られて怯えている為返事が出来ない。
「何があったか知らないけど、とりあえず初対面の人に怒鳴りつけるのはどうかと思うけど?」
一方的に怒鳴りつける男に、フレイアは思わず口を挟んだ。
知り合いが意味もなく怒鳴られていて口出ししないほど落ちぶれてもいない。
「あんたは黙っていてくれ!!!」
「・・・・・・・・・・そんな風に凄まれたら答えられるものも答えられないと思うけど」
じつはちょっと切れ気味です。こめかみに青筋入っています、フレイアさん。
「・・・・・・・・・・・連れを、探しているんだ」
少し冷静さを取り戻したのか、先ほどよりは落ち着いた様子でマント姿の青年は語り始めた。
「金髪の・・・白いドレスを着た女の子なんだが・・・・・アンタ、見なかったか?」
「ん〜、見ていないわね。レイチェルは?」
先ほどより安心したのか、フレイアの問いに首を振る事で答えた。
「そうか・・・・・・・すまなかったな」
肩を落とした様子で出て行こうとした青年に、フレイアが声をかけた。
「もし良かったら、探すの手伝うわ。一人じゃ大変だろうし」
「お前・・・・・・いや、すまない」
「私はフレイア、よろしくね」
「俺は瑠璃だ」
「じゃ、行きましょうか!じゃね、レイチェル」
二人揃って探しに行こうとしたとき、レイチェルがフレイアを呼び止めた。
「あ、まって・・・・・・。コレ・・・・・・」
「?どうしたのレイチェル??」
「さっき、町の入り口で拾ったの。遠目だったからわからないけど女の子が落としていったの」
レイチェルの手には卵の形をした瑪瑙が乗っかっている。
「真珠姫だ!・・・・・・・真珠姫の匂いがする!」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
レイチェルとフレイアは変態を見るような目で瑠璃を見た。
その視線に気がついたのか、瑠璃は慌てて言いなおしていた。
「いやその、そんな気がしたんだ!!!!!!」
「へ〜ほ〜そう〜」
「それよりその子はどっちに行ったんだ?」
会話の内容を元に戻そうと必死だ。
「えっと・・・・・メキブの洞窟のある方へ・・・・・行ったわ」
「大変!あそこはモンスターの住処よ!!!急ぎましょう!」
「ああ!」
二人は急いでメキブの洞窟へ向かった。
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