D Q IV

□勇者と魔王の出会い(アレクver.)
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アレクは父親にお弁当を届けに池に向かっていた。

「……ほんとうなのか?」

「…ああ、………がはりきって…」

「こんにちは!なにかあったの?」

アレクは、道端で話し込んでいた村人に話し掛けた。

「おお、アレクじゃないか。いやな、この村に人が迷い込んだらしいんだ」

「人が?」

アレクは瞳をきらきらと輝かせ、好奇心旺盛な顔で返した。

村から一度も外へ出たことのないアレクは外の世界のことを聞きたがっていた。

まれに村人が所用で出掛けると、帰ってきた者に質問攻めをするので、その事は村中の人が知っていた。

「アレクも好きだなぁ…そういう話題は」

村のおじさんはガハハと笑った。

「だって…気になるじゃないか!一度も外の世界って行ったことが無いのだから」

アレクはむーっと頬を膨らませた。

年の割に幼く見える彼がいっそ幼く見え、なんとも微笑ましかった。

「宿屋に泊まっているようだから後で行ってみるといい」

「うん!それじゃ、用があるから」

「おお、気を付けてな」

アレクは村人と別れ、父の待つ池へ急いだ。



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