D Q IV

□酔い
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前編





「ピサロ〜♪」

「なん…どうした?」

アレクはピサロに抱きついた。

「あら、まあ」

ピサロはいつもとは違うアレクの様子に驚いていた。






「で、どうしてこうなったんだ?」

ピサロは今までアレクと一緒にいたマーニャに原因を聞いた。

「ちょっと一舐め程度に飲ませただけよ」

「一舐め程度で酔っ払うわけがないだろう」

アレクが軽くなら飲めるのを知っているピサロはため息を吐く。

「だって、飲ませたのはコレ、だもの」

マーニャが出してきたのは『神や魔族でもイチコロ?!』がうたい文句なその名も『天魔殺し』だった。

そのうたい文句も過剰ではなく、飲酒しても酔ったことのなかったピサロでさえも微酔い加減になったという。

人間が飲んだのなら一口で潰れるだろう酒だった。

「アレクが飲みたいっていうから飲ましてみたんだけど…やっぱりお子さまには早かったかしらね〜」

ケラケラと笑うマーニャを一瞥した後、アレクに視線を戻す。

ピサロの腕に抱きつきながら、隣に座るロザリーと談笑している。

笑うと可愛くなる顔を周りにさらし、ご機嫌のようである。

ピサロはため息を吐くと、アレクの腕を引きながら立ち上がった。

「あら、どうなさったんです?ピサロ様」

ロザリーが驚いている。

「先に休む。ついでにこいつを部屋に連れていく」

「そうですか。私はもうちょっとここにいます。皆さんには伝えておきますね」

「ああ、たのむ」

ピサロは茫然とするアレクを引きずりながら部屋へ戻った。



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