D Q IV

□朝
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アレクはふと目が覚めた。

寝返りを打とうとした際、自由に身体が動かなかったからだ。

なんとか寝返りを打つことができたが、なにやら心地よいものに包まれているような、そんな感じに再度うとうとしかけた。

重たい目をどうにか開くと、部屋の窓から朝日が差し込んでいる。

いつもより早い時間だからか、まだぼんやりと明るい程度だ。

心地よい感じにひっばられつつも、そろそろ起きなくてはと思い、身体を起こそうとするがやはり動かない。

なぜかと思い、シーツをめくると…。





はい?





アレクは呆然とした。

自分の腰に腕が絡み付いているからだ。

後ろから抱き抱えられるように絡み付いていた。



え?なんで??昨日……マーニャにもらったヤツを飲んで…それから記憶がないよぅ…



アレクはショックを受けていた。

自分が誰かと一緒に眠るなんて考えられなかったのである。

パニックになっていたアレクだが、次第に落ち着いてきたのか、顔だけ後ろに向いてみた。

背中に少しかかっている銀髪はとても見覚えのあるものだった。

なにせ昨日の部屋割りは彼と同じだったのだから。

アレクはいったいどうしてこうなったのか頭をフル活動させたが、昨日の酒の所為か、まったく思い出せなかった。

そんなアレクをピサロは寝たふりをして様子を伺っていたのだがその様子がおかしくて吹き出してしまった。

「くっくっくっ……早いのだな…」

ピサロはやわらかく微笑んだ。

今まで仏頂面かニヒルな笑顔しかみたことのなかったアレクはその笑顔にポーッとなってしまった。

それを見たピサロはよりいっそう笑みを深めアレクの耳に顔を寄せた。






「昨晩は楽しませてもらった」






アレクの赤くなっていた顔がさらに真っ赤になった。

アレクは金魚のように口をパクパクさせている。

それを見たピサロはさらにくつくつと笑うのだった。







− 終わり −


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