D Q IV

□思案
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ふとした瞬間に考える事がある。

あの日。

村が魔物に襲撃された日。

あの人が来なければどうなっていただろうか。

もし自分が勇者でなかったとしたらどんな結末になっていたのだろうか。

勇者でなければあの人は村を滅ぼさずにいてくれたのだろうか。

ただの詩人のまま村を出て行ったのだろうか。

そんなことを考えても時は戻らないし、自分が勇者なのに変わりはない。

でも僕は時々考える。

もし、あの時村が滅ぼされていなかったら今頃はどんな生活をしていたのだろうかと。

やはり、見つかるまで時間がかかるだけで結局は同じ結末なのだろうか。




それとも・・・・・・・。




「?・・・どーしたの?アレク?」
不意に立ち止まってしまったアレクにマーニャが話しかけた。
「・・・・・えっ?」
「えっ?じゃないわよ。どうしたの?急に立ち止まっちゃって」
不思議そうな表情でマーニャが見つけてきた。
「なんでもないよ。ちょっとボーっとしちゃっただけ」
「・・・・・・・そぉ。ま、何か気になることでもあるんならあたしに相談しなさい。いつでも受け付けるから」
アレクの答えに不審に思ったのか、マーニャはいつになく真面目な顔で言った。
「仲間。でしょ?」
アレクはこつんと肩を叩かれた。
「うん、ありがと」




でも、今はそんなこと考えちゃいけない。
一刻も早くデスピサロをとめないと!
アレクは首を振って気を引き締めた。




 − END −


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