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□膝枕の話
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どうしてこんな事になっているんだろう・・・・。
フリオニールは、自分の膝元を見下ろして溜息をついた。
事の始まりはティーダのこの一言だった。
「のばら〜、耳掃除してくんない? 膝枕で!」
「のばらって言うなっ! ・・・って、耳掃除くらい一人で出来るだろう・・・・」
呆れた様子で溜息をつくフリオニールに、ティーダはニカッと笑いながら言葉を続けた。
「自分でやってもなんか違和感っていうか・・・。ちゃんと取れた気がしなくてさ。
なぁ〜〜〜、いいだろ?」
捨てられた子犬のような表情で見上げてくるティーダに、フリオニールはがっくしと項垂れた。
「はあ・・・・、まったく・・・しかたがないな。ほらっ・・・・」
耳かきを寄越せと手を出してくるフリオニールにティーダはいそいそと持ってきた耳かきを渡す。
「やった! サンキュなっ!!」
座り込んだフリオニールの膝に横向きになって寝転んだティーダに、フリオニールはまったく・・・と呆れながら苦笑を浮かべた。
やれ、こそばゆいだのそこがいいだの言いながらも、耳掃除を終えると終わったにも拘らずに起き上がろうとしないティーダの様子に
フリオニールは怪訝な様子で話しかけた。
「ティーダ? どうしたんだ?」
「んー・・・・俺、耳掃除されると眠くなるんスよ・・・」
むにゃむにゃ言い出したティーダの頭の下の膝を、フリオニールは有無を言わさずに動かした。
「うわっ!」
支えるものが無くなった頭はそのまま地面に落下し、ゴンッと小気味よい音があたりに響いた。
「っっ・・・てぇ・・・・・、酷いッス」
「誰も寝ていいとは言っていないだろ? これでも忙しいんだから、そこまでかまってやれないんだ。
ごめんな?」
にっこりと有無を言わさない笑みを浮かべるフリオニールに、ティーダは渋々と起き上がった。
「ちぇー・・・せっかく気持ちよかったのにな・・・・」
「はいはい。いい歳した男の膝が気持ちよくてたまるか」
苦笑しつつ言い返すフリオニールにティーダもヘヘッと笑った。
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