真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ

□2007年 ハロウィンSS『赤い月』
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月が赤く染まった時




私は・・・・・・・






赤い月






夜遅く、陸遜は執務室から自室へと向かっていた。

誰とは言わないが、某鈴の人とかの所為で自分がやらなくてもいい仕事を押し付けられた所為だ。

自分の量だけでも半端ないと言うこの時期に、某鈴の人はよくもまあ、人に押し付けてくれたものだ。

まあ、半分は呂蒙殿も請負ってくれていたのが幸いか。

ただでさえ忙しいというのにこんな時間までかかってしまったのだった。

手元に持った明かりを頼りに、自室までの長くはない道をひたすら歩く。

ふと見上げた夜空には、真ん丸な月がその顔をのぞかせていた。

陸遜はそれを何の気なしに見上げた。






・・・真っ赤な月、か。






あまり良くない印象の色をした月に、陸遜は顔をしかめながら視線を逸らすと、自室へと向かう。

自室に着くと、身支度をし、翌日に必要な事柄を確認する。

どんなに身体が疲れていようとも、毎日の日課は忘れる事はない。

一瞬先ほど見た月が脳裏を掠めたが、ふっと頭を振りそれを吹き消すと、戸締りをして就寝した。


















その夜、夜半過ぎに陸遜は喉の渇きを覚え、目を覚ます事となった。

「・・・・なんでこんなに喉が渇くんだろう」

水差しから直接水を飲む。

行儀が悪いことは頭では分かっていても、身体が言う事を効いてくれないのだ。

水差しにたっぷりと注がれていた水が無くなっても、陸遜の喉の渇きは満たされなかった。


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