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□クリスマスの話
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「なにしているんだ?」
焚き火の周りでティナとオニオンが何やら楽しそうに話しをしているのを見てフリオニールは声をかけた。
「フリオニール」
「あのね、たまちゃんが教えてくれたんだけど・・・」
説明するティナにオニオンが補足している。するといつの間にやら隣に来ていたWoLがふむふむと頷いているのがフリオニールの
視界に入った。
「という訳で今日はクリスマスというものをする事となった」
「懐かしいなぁ! そういえばもうそんな時期か〜」
WoLが声高々に言うと、周りに座っていたバッツやティーダ、ジタンから歓声が上がった。
「クリスマスって・・・?」
疑問に思ったセシルが近くに座っていたクラウドに話しかける。
「簡単に言えばお祝い、だな。神が人間として産まれてきたことを祝う、という意味で聖人の降誕を祝う事から生まれたらしい。
その日は親しい相手に贈り物をして、一般的には家族と過ごすんだ」
興味が無いように見えて実はしっかりとオニオンから情報を得ていたクラウドはセシルに答えていた。
「へぇ、そういう行事があるんだ・・・」
「と言っても俺も詳しい事は分からないがな。一部では恋人や友人なんかと過ごすって言うのもあるらしいぞ」
「・・・だからライトが決定したんだね」
「ああ。少しでも労おうというコスモスの配慮かもな」
「でなければあのライトが意気揚々と進んで準備をしている筈が無いからね」
セシルの視線の先には率先して準備に取り掛かるWoLと、それを手伝うフリオニールにティナとオニオンナイト。
ふざけながらもコスモスが出した道具を使い飾り付けていくバッツ達によって、秩序の聖域はクリスマスカラーへと変貌していっていた。
作業を始めてから数時間後、あたりを見回したWoLが口に手を当てて考えるように目を細めた。
「ふむ・・・今日はこの辺にして、残りは明日やる事としよう」
「そうだな・・・いくら時間の感覚があまり感じられないとは言っても、そろそろ体力的に限界だし・・・」
WoLの言葉にフリオニールは、半分眠りかけているティナとオニオンを見やり、苦笑を浮かべた。
飾りつけなどはほぼ終わりかけていて、あとは料理などを並べるだけだ。それは明日でも大丈夫だろう。
予めコスモスから教えられた料理のメモとモグネット経由で送られてきた食材があるので、フリオニールは準備がかかる物のみ
下ごしらえをしていた。
「料理の方も後は火を通すだけだからそろそろ休むか」
「そうだな」
WoLはそう言うと、座ったまま完全に眠ってしまったティナを抱き上げた。
「君はオニオンの方を頼む。彼女達はたしか・・・私達の隣の天幕だったな」
「ああ」
よっ、という掛け声と共に、同じように眠ってしまったオニオンナイトを抱き上げると、予め張っておいた天幕の方へと向かった。
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