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□小話集
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■噛み跡
 
 
「ライト、あの事なんだが…」
 
フリオニールはWoLと話をしていた。
 
それを横目にバッツやジタンがあまりの暑さに舌を出して手で顔を扇いでいる。
 
コスモス消滅後の世界は、カオスと合間見えたあの空間のように、
まさに混沌と言うに相応しい風景が広がっていた。
 
かつてあった森や泉はさらに減少し、今では秩序の聖域の近辺でしか
見当たらなかった。
 
変わってしまった世界は、カオスの居る混沌の果てに近づくにつれ、
その気温を上昇していった。
 
昨晩、泊まる事のできた蜃気楼の町を出た瞬間飛ばされた場所は、
その混沌の果てに程近いのだろう。
 
薄着であるバッツやジタン、ティーダまでも暑さに参っていた。
 
セシルなどは、パラディン姿になりティナとお揃いでポニーテールに
しているくらいだ。
 
我らがリーダーであるWoLは、さすがと言うべきか、
汗一つかいていないのには、吃驚させられたが。
 
正面に立つフリオニールも、さすがに暑いのか、いつもより
高めの位置で髪を纏めている。
 
余計に尻尾のように見える髪型に、普段隠れている項がとてつもなく色っぽい。
 
何気なしにそんな二人を見ていたスコールは、フリオニールの項にある
傷のようなものを見つけ、顔を顰めた。
 
「どうした、スコール?」
 
そんなスコールに気がついたバッツが話しかけると、いつもの無表情に変わる。
 
顰めていたのは一瞬だったが、それでもバッツには十分興味がわいたようだ。
 
「なにか見つけたのか? って、ライトとフリオニールじゃないか」
 
スコールの視線の先に居る二人を見てから視線を戻すと、
スコールは何も言わないまま二人の元へと近づいていった。
 
 
 
 
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