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□七夕の話
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次の日、一行は秩序の聖域へと足を運んだ。いや、運ばされた
と言う方が正しいか。
 
クリスタルはまだ集まっていないが、我らが女神の頼みとあっては、
断れるはずがない。
 
いつものように中央にある祭壇に佇むコスモス、その隣に
ちょこんと座るティナとオニオンナイトの姿があった。
 
「急に呼び出してしまってごめんなさい」
 
「(ごめんなさいもなにも、何事か聞く前に無理やり来させたのはあんただろう)」
 
すまなさそうに眉を寄せるコスモスにスコールが思わず毒づいた。
 
スコールが言っている通り、有無を言わさず現れてデジョントラップに放り込み、
ここへと送ったのはコスモス本人である。
 
しかも各々の宿敵と対峙している時だったので、デジョントラップの無い場所では、
コスモス自らあの渦を作り出し、そこへ放り込んだのだ。
 
相手のカオス勢が唖然とした表情を浮かべていたのは、言うまでもない。
 
「…何か言ったかしら? スコール」
 
「(読まれた!?)」
 
びくっと体を震わせたスコールにコスモスはにっこりと笑っている。
 
彼女から漂う気配は何かどす黒かったが、スコール以外気がついていないようだ。
 
蛇に睨まれたカエルのように、冷たい汗がスコールの額に流れた。
 
「まあ、いいでしょう。
 ティナから聞いたのですが、この時期に面白い催し物があるそうですね」
 
「面白い…?」
 
セシルが首を傾げている。
 
他のメンバーも同じように心当たりがないようだった。
 
「バッツとジタンが話していたのを聞いたそうですよ」
 
「あー、あの話か」
 
コスモスの言葉に、バッツが心当たりに気がつき、手のひらに拳をポンっと当てた。
 
ジタンも気が付いたようだ。
 
「あの話って…何っスか?」
 
「ああ。実はな…」
 
ティーダの質問にバッツが昨夜話した話を聞かせた。
 
 
 
 
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