★ 無 双 パ ラ レ ル 部 屋 ★

□べいびーぱにっく!!
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さて、ところは変わって朝の出来事から数刻。

あのあと陸遜にたたき起こされた孫策は、ソレに陸遜と同じように驚きながらも最後には「あっはっはっはっ」と豪快に笑っていた。

「まあ、できちまったもんはしょうがねぇじゃねぇか」

なっ!と陸遜の肩をバンバンと叩いた。

「しょうがなくなど無いですよ!男が子を孕むなど・・・聞いた事がありません!!!!」

現実的に考えて、子を孕む事ができるのは女人だけだ。

閨を共にする事は男でも可能だが、女人のように子を孕む事などできるはずが無い。

万が一できたとしても素だけではなりようが無い。

この時代の医学とてそこまで細かく分析できるものでもない。

一般的に男女が閨を共にして授かるものだからだ。

それでも一発で出来る確率は低い。

陸遜とて孫策と幾度も閨を共にしてはいるが、この二人の場合子を孕む孕まないの問題ではない。

男同士で子を成す事自体、あるはずの無いことなのだ。

「つったって実際に出来てるからコイツがいるんだろうよ」

と、孫策は今は泣き疲れたのかすうすうと穏やかに寝息を立てている赤子に視線を動かす。

「迷い込んできたとしても、こんな格好でしかも血まみれのしかも赤子が城内をいればもっと騒ぎになっているはずだろう?」

孫策の言う事ももっともであった。

裸に近い格好で、全身血まみれの赤子が、戦場に巻き込まれた村などならともかく城内で見つかっているのであれば騒がしくても不思議ではない。

しかし、部屋の外からは鳥の鳴き声以外聞こえてはこなかった。

「・・・ですがっ・・・」

「まあ、気持ちは解らんでも無いけどな」

いきなり子供が出来たら驚くのは当たり前だろう。

しかも自分は男、相手も男だ。

女人の様に兆候があったのならここまでは狼狽しなかっただろうし、もう少し落ち着いていただろう。

否定したくても現実にその証拠である赤子がすぐそこにいるのだ。

孫策は無理にでも納得した方がいいと思った。

なにせこの赤子は尚香が幼い頃に似ているのだ。

自分の父親である孫堅が子を生ませたという話は聞かないし、自分もここ1年、子を孕んだという者の話は聞いていない。

ここ数年で孫策と最も閨を共にしている相手は陸遜なのだ。

陸遜の方は分からないが、時折「いや・・・まさか・・・・そんな」とか細い声で何かを否定しているようだった。

「ん?心当たりがあるのか??」

「い、いえ。・・・・ただ一族の者の赤子の頃の顔に少し似ているなと・・・」

・・・・・・・そうなるとやはり。という考えが脳裏に横切った。

「奇遇だな。俺も尚香の赤子の頃の顔に似ていると思った」

・・・・・・・・・・・・・

二人はすやすやと眠っている赤子をそろって見つめた。

生まれたての赤ん坊の顔は殆ど同じように思えるが、血族の者や産んだ本人からすると似ている箇所がわかるという。

この赤子は生まれたばかりというより、生後数ヶ月と言ったほうがいいかも知れなかった。

髪の色は焦げ茶色、瞳の色は目を閉じているのでまだ分からないが、髪質は毛先がくるんとなっているので軽いくせっ毛なのだろう。

孫策は思わず陸遜とその赤子を見比べていた。

「・・・・似てるな」

「・・・・・・・・・・はい」

コレはもう決定だろうと、覚悟を決めた二人に、眠っていた赤子が眼を覚ました。

開かれた眼は深い緑色だった。

「・・・・・・・・・・」

「・・・・・・孫権様や姫様と同じ色ですね」

「・・・・・・ああ」

赤子は二人をその目に捉えると、きゃっきゃっと笑い出した。

「・・・・・・・・」

「・・・・決定だな」

「・・・・・はい」

暫し呆然とした二人に、赤子はニコニコと笑い続けていたのだった。







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