聖 剣 L O M
□月読の塔
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瑠璃より遅れて部屋を出たフレイア達は、上ってきたときと同様さくさくと下階に下りてきて、あっという間に1階の
エントランスまで来た。
そのまま、塔を出ようと出入り口へと向かった時、後方の方でなにやら落ちてくる音が聞こえた。
「いまの、なに?」
真珠姫の言葉に後ろを振り向くと、床に落ちている一枚のカードがフレイア達の視界に入る。
真珠姫がカードを拾い上げて、その文面を読んだ。
「よこくじょう? ・・・・・ほうせきどろぼう!!!」
「あいたかった・・・・」
真珠姫の叫びとともに聞こえてきた声に、フレイア達が振り向くと出入り口の方に人影が映る。
翠のチャイナドレスにオレンジの髪を結い上げ、大輪の花の髪飾りをつけたセクシーな美女がそこに立っている。
世間を騒がせている宝石泥棒・サンドラだった。
「い、いや・・・・・・・」
その姿を見た真珠姫がフレイアの後ろにとっさに隠れた。
「あら、また会ったわね。お嬢さん」
フレイアはガトで見たその姿に警戒を強め、愛用の槍を構えた。サンドラはそれをくすりと笑い、真珠姫の方を見る。
「貴女の核、奪わせてもらう! 輝きを忘れた捨石に制裁を!
行け! ジュエルビースト!!」
サンドラは手に持っていた何かをフレイア達のほうに放り投げる。すると次の瞬間何もなかった場所から醜い、
大きな怪物が現れた。
四つの足に支えられた宝石の大きな塊のような胴体に、そこから長く伸びているくちばしの様な口は鋭く尖っている。
フレイア達に向かって突進してくるソレに、避けつつ、くちばしのような口から繰り出される攻撃に、
さすがのフレイアも迂闊に近づけなかった。
「・・・・っ!」
懐からフルートを取り出し、曲を奏でようとするも、その隙を突いてくる相手の攻撃に、魔法もおちおちと使っていられなかった。
「・・・・・・・・これでどうだっ! 青龍!!!!」
長距離直線状に繰り広げられる大技を食らい、ジュエルビーストと呼ばれたその怪物は崩れ落ちるかのように床に崩れ、
その身が砕け散った。
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