鋼 の 錬 金 術 師

□◆ 女の子のゆううつ
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「…で、どう?最近の身体の具合は?」
「は?!」


久しぶり(女になって(ついでに大佐の彼女になって)から2度目)にリゼンブールに
帰ってきたエルリック兄弟に待っていたのは最強の幼なじみだった…。







めずらしく定期検診に帰ってきたエドワードはウィンリィの猛攻にタジタジになってい
た。
「体の具合って…別に何とも…あぁ、」
「!なになに?」
なにやらウィンリィの瞳が期待に燃えている(笑)
「機械鎧の間接部分が…って、なに落ち込んでるんだ?」
「…私の聞いてるのは…はぁ、まあいいわ。で、どこの間接部分よ?足?腕?」
期待した自分が馬鹿だった…と、落ち込んでいたのだとは気付いていなかった。




「……よし!これで大丈夫よ」
「サンキュ」
軽く調整しただけで治ったので、エドワードは具合を確かめるよう身体を動かした。
「あんた、今度はどこ行くのよ」
「あー?んー…とりあえず、東方司令部に顔出さなきゃいけないから、イーストシティか
な」
…なら安心か。というウィンリィの呟きが聞こえたが、エドワードの耳には聞こえていな
かった。
「朝一の列車で行かないといけないから今日は早めに寝ないと…」
「そう…じゃあ夕飯の時間早めにするわ」
「サンキュ」
「どういたしまして」



…その頃の東方司令部…

「あ、ハボック少尉」
いつものように休憩していた司令部メンバーのところに先程、上司のところにコーヒーを
持っていったはずのホークアイがトレイにカップを乗せたまま、戻ってきた。
「あれ、中尉。どうしたんすか?」
「大佐がまたいないのよ…」
ホークアイはフーーッ、とため息を吐いた。
「…またっすか…」
ハボックはタバコのくわえながら苦笑い。
「またいつものトコっすかねぇ?」
「・・・・・・ソコ以外考えつかないわね」
ハボックとホークアイがそろってため息をついた。
・・・・・・・と、ソコで電話のベルがけたたましく鳴り響いた。
「・・・・はい、東方司令部・・・・・・・、ウィンリィちゃん?!」
めずらしい者からの電話だった。





「もう〜兄さんってば、朝ごはん買い忘れるなんて〜」
その頃エルリック兄弟はイーストシティ行きの列車の中にいた。
エドワードは2度目の朝食を買い忘れたことをアルフォンスに怒られていた。
「出発前にちゃんと食べたくせにすぐにお腹が減るんだから・・・・さっきの駅で買っておけばよかったじゃない」
「しょうがねぇだろ〜もう昼近いんだしよ〜」
と言っても10時を少し回ったところである(笑)
朝ご飯を食べたのは始発の列車が来る30分ほど前。
もうかなりの時間が立っているのだからしょうがないとも言える。
「まったくもう・・・・ちゃんと次の駅で買っておくんだよ!」
「わかったって〜」
眉を八の字にしながら、と言ってももうそろそろ着くくらいなんだけどな・・・とエドワードは苦笑した。
これから行くはずのところで待ち構えている者がいることも知らずに、エルリック兄弟を乗せた列車はイーストシティに向かって
進んで行った。


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