真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ

□◆ 怪しげな薬2
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「陸遜、ちょっと渡したいものがあるのだが・・・後で私の執務室へ来てくれないか?」

中庭で食後の休憩を取っていた陸遜に周瑜が声をかけた。

「? わかりましたけど・・・・どうしたのですか?」

「ちょっと・・・・な」

周瑜に艶やかな微笑で返された陸遜の背筋に寒いものがスッ・・・と通った気がした。

そういうと周瑜は部屋に戻っていった。

「・・・・・・・どうしたんだろう」

部屋から来たのであれば渡したいものを持ってこれるはず・・・なのに部屋からこちらに来たはずの周瑜は
何も持ってこなかった・・・。

−よほど人目に触れてはまずいものなのだろうか・・・−

首を傾げる陸遜であった。



「・・・・・・ん」

窓からの明かりで目が覚めた。

「もう・・・朝?」

んーっと背伸びをするとふうと息をつく。

「そろそろ着替えなきゃいけないな・・・・」

ぎしっと寝台から降りると着替えを取り、寝間着を脱いだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はい〜?」

前のあわせを解かれた着物に半分隠れているが昨日まではなかったものが2つ・・・胸に付いていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「えぇぇ????」

下着の中をおそるおそる覗き込んでみたら・・・・・あるはずの物が無かった。

「な、な、な、な」

突然の事態に驚きを隠せない陸遜。

「・・・・・おちつけ・・・おちつけ、私」

すーはーすーはー・・・と深呼吸をして呼吸を整える。

「どうしてこんな事になったのか考えるんだ・・・・・変なものでも・・・・まさか!」

− 昨日、周瑜様のところに行って寝る前にコレを飲むようにって渡されたものが・・・・まさかアレのせい!? −

くわんくわんとする頭の中で、それしか心当たりが無い!と確信。

− とりあえず、今日1日どうするかが問題だ・・・・ヘタに外へは出られないな・・・・ −

はぁ・・・・・と深いため息をついた。


いつもの服に着替え、執務室へ向かい扉を閉めると安堵の息が出た。

ここにくるまでバレないか心配していたのだがいつもより少し早い時間に出てきたので
あまり人と会わなかった事が幸いした。

「・・・・さてこれからどうしよう(滝汗)」

なんとか執務室まで来れたものの、軍議に出ないわけにはいかない。

胸は布を巻きつけておけば何とかなるだろう。

−・・・・なんとかなるか。−

抱きつかれたりしなければ気付かれないだろうと考え、軍議に出た後はここから出なければ、
なるべく人とかかわらなければ気付かれる事もあるまい。

めったな事がない限り、抱きついてくる者は限られているので気をつけていればよい事だ。

「・・・・・・・・よし!」

勢いよく立ち上がると、着替えを始めた。

・・・といっても、胸を布で巻きつけて平らにした後、元着ていた服を再度着ただけだけれども。

「これでなんとかなる・・・・・かな?」

姿見の鏡の前で確認すると、ドキドキしながらも会議室へ向かった。



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