真 ・ 三 國 無 双 シ リ ー ズ
□◆ 怪しげな薬2
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なんとか誰にも気付かれずに軍議が終えそうになったとき、ふと視線が孫策とばっちり合ってしまった。
−し、しまった!なるべく目を合わせないようにしていたのに〜(T△T)−
にこっと笑い返して視線を逸らす。
−ばれませんようにばれませんように・・・・−
陸遜の想いとは裏腹に、その笑顔を見た孫策にはいつもと違う感じがしたのを見逃さなかった。
−あいつ・・・あんなに艶っぽかったっけ?・・・いや、閨の中では・・・っといけねぇいけねぇ今そんな事考えたら・・・
ってそうじゃねぇ!なんて言うんかなぁ・・・女っぽい・・・って女ぁ!?−
よ〜く見ると陸遜の身体がいつもより華奢に見える。
すぐにどうしたのか聞きたいが、一応いまは軍議中。
はやる気持ちを抑えて、終わるのを待った。
しばらくして、軍議が終わった後すぐに陸遜の元に行こうとしたがすでにその姿は扉から出て行く所だった。
−ああああっ!早く行かねぇと!!−
すぐさまに部屋の外に出る。
陸遜は廊下の端をまるで隠密行動中の兵士のようにすすっと歩いていた。
「陸遜!」
一瞬びっくっと陸遜の身体がはねた様に見えたが、次の瞬間いつものように振り返った。
「伯符様、どうかしましたか?」
にっこりと笑う陸遜の笑みがやはりいつもと違って見える。
身長が少し低いし明らかに華奢になっている。
「どうした?・・・ってそれはこっちの台詞だ」
ふぃーとため息をつく。
「・・っと、ここじゃなんだからおまえの部屋に行くか」
陸遜の緊張していた身体がほっ・・・と力が抜けるのが解った。
「・・・・・で、なんでそうなったんだ?」
孫策は執務室に着くと事の真相を問いただした。
「昨日、寝る前に周瑜様にいただいたものを飲んで寝たら、朝こんな風になっていたんです・・・」
瞬間、にやりと微笑む周瑜が頭の中によぎった。
−しゅぅぅぅゆぅぅ〜−
額に手をあて、はぁ〜とため息をつく。
「とにかく元に戻るまで黙っておくしかないな・・・どんな輩がいるかわからんからな(ボソッ」
「・・・・そうですね」
どうやら最後の呟きは聞こえなかった模様(笑)
「その心配はないぞ!孫策!!」
と、その時いきなり扉がバーンと音を立てて開かれた。
現れた人物は、たった今話題に上がっていた人物だった。
「なっ、周瑜???」
そのまま部屋に入ってくると、陸遜を見てうんうんと頷いている。
「どうやら成功のようだ」
はい〜?と残り2名には事情が飲み込めていない。
「ああ、説明していなかったな。昨日陸遜に渡した物はな、性転換の薬だったのだ!!」
「「はい〜〜〜〜!!??」」
見事にはもった2人を後目に、周瑜が語っていた。
「太古の昔から永遠の漢のロマンとされてきた、性転換の薬だ・・・南蛮から取り寄せたのだが、
効果があるのか解らなかったものでな」
そこ、そんな物がロマンであってたまるか!とか言わない。
「!!!もし毒だったらどうしていたんですかー(T口T)」
陸遜が半泣きになりながら抗議するが、周瑜はトリップしたままだ。
「お、おちつけ、陸遜!周瑜、元に戻すにはどうしたらいいんだ?」
その言葉にすっと小瓶を出された。
「この中に元に戻す事の出来る薬が入っている。セットで売られていたからな。
そうでなければ使おうなどと思うわけないだろう」
しれっと言う男に、陸遜がさらに泣き出す。
「貴方って方は〜」
えぐえぐとくすぶる陸遜がめっちゃ可愛かった。
「と、とにかく。陸遜これを飲め」
孫策が周瑜から渡された元に戻る薬を渡した。
「どうなる事かと思いましたよ」
まだ、ご機嫌斜めな陸遜に周瑜は残念そうに言う。
「もうちょっとそのままでいても良かったのではないか?仕事に支障があったわけではあるまい?」
薬を渡されてすぐに飲んで、元に戻ってしまったのだった。
「あのままの姿でいたら何をされるかわかりませんからね」
即答される。
「お二人だけならまだしも他の者にばれてしまっては後処理が大変ですし?」
しれっと返される。
「ちゃんと女になっているか調べたかったんだが・・・」
「そんなに見たいのでしたらそれこそいつでも見れるのでは?」
「お前ではないではないか」
「・・・・ご心配なく、ちゃんと女になってましたので」
にっこりと有無を言わさない陸遜の笑みが吹雪を起こす。
「そんなに見たかったらご自分で試されてはいかがですか?」
周瑜がピキーンと固まっていた。
−終わり−
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