聖 剣 L O M

□迷子のプリンセス
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辿り着いたメキブの洞窟は、じめっとした空気が流れていた。

鍾乳洞の中は光り苔のおかげかほんわりと明るい。

「こんなところに一人で入って行ったのかしら・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

瑠璃は返事をすることもなく沈黙している。

「どうしたの?」

「・・・・・・・・真珠姫の気配がする・・・・・・・・・こっちだ」

フレイアはすたすたと一人で行こうとする瑠璃の後を急いでついて行った。



途中、モンスターに襲われたり、探しに来た本人たちが道に迷い、草人に道を聞いたりして奥の方までやって来た。

奥の方まで来るとグリーンのチャイナ服を身にまとった、オレンジ色の髪の女性が立っていた。

「遅かったのね。早く助けた方がいいんじゃないかしら?」

やってきた二人にいきなりそう話しかけてきた。

女性はフレイアに気づくと、

「あまり関わらない方がいいわよ。・・・・・・・・貴方が石にならないといいけど」

「!!!!!!!なにを・・・・・」

「え・・・・・・・・・・?」

「きゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

瑠璃が言いかけたとき、奥の方から悲鳴が聞こえてきた。

「真珠姫!!!!」

瑠璃は悲鳴を聞いたとたん奥へと飛び込んで行った。

「・・・・・・・貴方、いったい・・・・・・」

「早く行ってあげた方がいいわよ?お嬢さん」

女性は妖艶に微笑んでいる。

後ろ髪を引かれつつも、フレイアは瑠璃の向かった奥へと急いだ。



ソコには、この洞窟の奥に住み着いているドゥ・インクと対峙している瑠璃がいた。



「ちょっと、やっかいねこいつは」

「強いのか?」

「そこそこ」

「じゃあ、何とかするしかないだろう」

「いきますか!」

ドゥ・インクと対峙した二人は、相手の隙をつきつつ、攻撃を加えて行った。

途中、洞窟の鍾乳洞のつららが落ちてきたりもしたけれど、何とか倒すことが出来た。

「フゥ〜〜〜何とか倒せたね」

「ああ」

瑠璃はきょろきょろと周りを探しているようだ。

先ほどの悲鳴の持ち主だろう。

フレイアも探す。

ふと岩陰をみると、白い布のようなものが見えた。

「・・・・・・・貴方が真珠姫?」

近づいて見ると白いドレスを着た女の子がしゃがみこんでいた。

いきなり声をかけられた所為か驚いているようだ。

そのとき近くまで来た瑠璃の胸元がいきなり光ると女の子の胸元にある宝石も光った。

「真珠!!あれほど離れるなって言っただろう!!!!!!」

「・・・・・・ごめんなさい。考え事をしていたらいつの間にか迷って・・・・・」

「なにも考える事はない。俺から離れるな!!」

「でも・・・・・瑠璃君・・・・・・」

「なにも考えなくていいんだ!俺に守られていればそれでいい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方的な瑠璃の台詞に、フレイアが口を挟んだ。

「心配していたのはわかるけど少し言いすぎだよ。無事だったんだからいいじゃない」

「アンタは黙っていてくれ!」

「・・・・・瑠璃君、このひとは?」

ようやく気がついたのか真珠姫がフレイアを見ている。

「お前を探すのを手伝ってくれた・・・・・・変なヤツだ」

「変なヤツとは失礼ね!」

真珠姫はなにやらフレイアを見ながらモジモジしている。

「どうしたの?」

「彼女は赤面症なんだ・・・・・・」

「どうもありがとう(ポッ)」

真珠姫はモジモジしながらフレイアに礼を言った。

「いいえ、どういたしまして」

フレイアがにっこりと微笑んで言うと真珠姫はさらに顔を赤くさせた。

「さて、長居は無用ってことで、外に出ましょうか」

フレイア達は洞窟の入り口に向かった。



入り口に差し掛かったころ・・・

「じゃあな」

「あ、おねぇさま・・・これ、おれいです」

真珠姫はもじもじと恥ずかしそうに、アイテムをフレイアに手渡した。

「真珠姫」

「まって、瑠璃君!それじゃ・・・・・」

そういうと真珠姫は瑠璃の元へ走っていった。

フレイアは手を振りながら貰ったアイテムを確かめる。

石で出来た目玉と蛍袋の形をしたランプ。

「・・・・・・これって・・・・まさかね・・・」

フレイアはマイホームへ戻るために瑠璃たちとは反対方向に歩いていった。



− END −



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