聖 剣 L O M

□港町・幽霊騒動
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「後行ってないのは・・・・シーサイドホテルを抜けたトコにある海上レストランか」

「そうだな」

今まで黙っていた瑠璃が目の前を行く不思議な生物に目を向けている。

「瑠璃? どうしたの??」

「いや・・・あの、目の前のヤツから微かに煌めきを感じるんだが・・・・」

「・・・・・・珠魅ってワケじゃないよね」

どうみてもザルに入った魚に足が生えているようにしか見えないそソレに、フレイアも悩みだす。

その視線に気付いたのか、目の前を行く謎の生物がフレイア達の方に振り向いた。

「なに見てるノねん」

「え! ・・・・いや、その」

「馴れ馴れしくしないでナノね。ボクはねん、君ら庶民とはねん、違う! ねん」

「む! あのっ! シーサイドホテルに出る幽霊の事についてなんだけど・・・・」

その言葉にムカッときたフレイアは少し荒めの口調になりつつも、幽霊の事を聞いてみようとした。

「ビンボー人は嫌いナノねん。あっち行くノねん。
 シッシッシッシッシッシ!」

ザルに入った足つきの魚? はそう言うとすたこらとシーサイドホテルの中へと行ってしまった。

「な〜に〜あ〜れ〜〜〜〜!!!!」

「本当だな。まったく・・・・」

憤怒しているフレイアに瑠璃も同調しつつ、二人はシーサイドホテルの中へと向かった。

すると、ロビーでザルに入った・・・略は中央のカウンターでなにやら会話をしている。

どうやらホテルの上客の様で、従業員のモティさんたちもゴマすり状態で接客していた。

「これは、これは。ザル魚様」

「ルヴァーンシュちゃん、いる?」

ザルに入った魚・・・・名前もまさしくそのまんまなザル魚は、踊り子の名前を告げている。

このシーサイドホテルのラウンジの踊り子でまだ若いのにとても踊りが上手いのだ。そしてとても美人である。

「はい〜、おりますとも! 今日の踊りは、また一段とセクシ〜でございますよ!」

「じゃあ、貸し切りなノねん はい、50000ルク」

「毎度、ありがとうございます」

モティさんの言葉を聞いて、上機嫌でお金の入った袋を手渡している。モティさんがそれを受け取ると、いそいそと
浮かれ気味にラウンジの方へと入って行った。

フレイア達がカウンターの方へと来ると、モティさん達がなにやらぼそぼそと呟いているのが聞こえてくる。

「いいのか? ルヴァーンシュは、あの色ボケ魚嫌ってるのに・・・・」

「・・・・仕方ないだろ? 幽霊騒ぎでドカンと客が減っちまったんだ・・・。
 あの成金魚から、しぼれるだけ、しぼりとるぞ!」

「それもそーだな」

まあ、あの態度なら嫌われるのも無理はないかな・・・。と思いつつ、フレイア達は海上レストランへ行くための階段を
下りていった。




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