聖 剣 L O M

□希望の炎
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フレイア達はテラスを離れると寺院の方へと向かった。

「・・・・フレイア、気にするなよ? オレや真珠は少なくともアンタの事をあんなふうには思っていないからな」

「瑠璃・・・・・、ありがと」

寺院の入り口に入ると修道女が倒れているのが見えた。

「! 大変!!」

フレイア達が駆け寄り、倒れている修道女に声をかける。どうやら気を失っているだけのようだ。

とりあえずどこか休める場所をと修道女に肩を貸そうとしたとき。

「ややっ!!! 事件ですな!!!! 被害者は・・・・・・・・修道女と。外傷は・・・・・・・・コラ、コラ!!!
 死体に触っちゃいかん!! ちょっとどきなさい」

出入り口の方から飛び込んできたねずみ男・・・もとい、ボイド警部がフレイアと修道女の間に割り込んできた。

その剣幕にフレイアが後ずさる。

「う・・・まだ・・・・生きてます・・・・・」

「おお、こりゃぁ失礼! どうされました? どこか痛いのですか?」

「草人に体当たりされて・・・。その時に足を捻ってしまった様で・・・・。うぅ・・・」

話を聞いていたボイド警部は顔を真っ赤にさせ頭から湯気を出す勢いで怒り始めた。

「草人!? そうかっ! 草人に化けて侵入していたか! いったい何が狙いだっ! サンドラめ〜〜〜〜〜!!!」

ボイド警部はそう叫ぶと出入り口から出て行ってしまった。フレイア達はそれを呆然と見ているしか出来なかった。

「はっ! 大丈夫ですか!?」

我に返ったフレイアは修道女に手を貸す。その手を借りて何とか立つ事が出来た修道女は、騒ぎで出てきた別の修道女に連れられ、
フレイアにお辞儀しながらその場を去っていった。

「・・・・・サンドラって言ってたよね」

「ああ」

「宝石泥棒の狙いって・・・・。とにかくボイド警部を探そう」

フレイアと瑠璃は寺院を後にした。




ルーベンスと修道女が先程のテラスでまだ佇んでいた。

「なんだ、まだ何か用か?」

「先程の草人の事です。やはり、私、回虫ププを手に入れますわ」

「やるなら、一人でやってくれ! 俺は嫌だからな」

「あら、冷たいのね。魔法都市に居る恋人がどうなってもいいなんて」

修道女の言葉にルーベンスは後ずさりする。

「・・・・・・なぜ、彼女の場所を?」

「くすくす・・・・・さあ、なぜかしら?」

怪訝な顔をするルーベンスに修道女は笑いながら答えをはぐらかしている。

「からかうな・・・・・・・・」

「貴方がいらないと言うのなら、回虫ププは私がもらうけれど、いいのかしら?」

「好きにすればいい・・・?」

「草人が死のうが、恋人が眠ったままだろうが、関係ないというわけ?」

「俺は誰にも関わりたくないし、他人が俺に関わってくるのもごめんなんだ。ほうっておいてくれ!」

「・・・・そうはいかないわ」

ルーベンスが修道女から顔を背けた瞬間、修道女の目とルーベンスの核が輝く。

「輝きを無くした汚れた石に制裁を!」

修道女は手に隠し持っていたナイフでルーベンスの胸元を切りつける。

そこへフレイアと瑠璃がやってきた。

「!!!!!!」

「う・・・・くっ・・・・はっ・・・・」

切りつけられた衝撃に耐え切れず、ルーベンスはそのまま倒れこむ。

近づこうとした瑠璃だったが修道女はナイフをルーベンスにむけたまま言った。

「近寄らないで! 殺しちゃうわよ?」

「くっ・・・・、汚いぞ!」

「ぼうやは黙ってなさい。・・・核は傷つけてないわ。
 私の言う事を聞けば、核には手出ししない・・・・・・・・」

「う・・・・。な・・・にが、目的・・・だ」

ルーベンスは核が傷ついていないとはいえ、身体に当たった衝撃は辛かったらしく、思うように身動きが取れなくて
顔を修道女に向けるのがやっとの様だった。

「くす・・・簡単なことよ?
泣いて、命乞いなさい。・・・そうすれば許してあげるわ」

「!!!!!」

「・・・・っ!」

瑠璃とルーベンスは苦々しい表情を浮かべた。



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