聖 剣 L O M

□ひさしぶり
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あの、煌めきの都市での戦いから数ヵ月。

種族を越えた涙石のおかげで、宝石王が飲み込んだ核以外の珠魅達も甦る事ができた。

もちろん彼も例外ではかった。

しかし彼、アレクサンドルは誰にも姿を見られることもなく、都市からいなくなっていた。

蛍姫に会いに行った時、部屋を出たとたん床に刺さったカード。

それ以降、彼はまったく姿を現さなかった。



「師匠!」

はっ!

フレイアはバドの声に我に返った。

「固まってる場合じゃなかった。息は?」

急いで確認してみる。

呼吸が止まっていたので、核の方を確認してみるが、傷は付いていないようだ。

とりあえず、息を吹き返させるために人工呼吸でも…と顔を近付けた瞬間。


「…何をしているんです?」


めっちゃ至近距離でアレクの瞳と合いました。

「! よかった…息がなかったから心配したのよ」

フレイアはほっとしたのかぺたんっと尻餅をついた。

内心ドッキドキである。

兄以外の異性とスキンシップなど、あまりしたことがないフレイアは顔を近付けただけで頬を真っ赤染めていた。

相手に意識が無いのなら、そんなことはないのだが。

「大丈夫ですから…ほって置いてください」

「!そんなことできないよ!とりあえず私の家まで行こう?疲れているのならウチで休めばいいし!」

フレイアはうずくまっているアレクに肩を貸そうとしたが、やんわりと断られた。

「本当に大丈夫なんで…す…っ」

そこまで言うとアレクはまた倒れこんだ。

「アレク!…核は…傷付いていないわね…。…バド」

「はいっ!」

「コロナ達に家に帰ることを伝えて!私は彼を黄龍に乗せていくから」

「わかりました〜!」

すぐそばにいたペットであるランドドラゴンの黄龍の背にアレクを乗せると、バドが走っていった方へ歩いていった。





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